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久々の投稿になります(^_^;)

若干行き詰まった感がありやる気が起きずストップしておりましたが、これからまたボチボチと投稿していきたいです。待っててくれた皆様、ありがとうございます。

「ふんっふんっふーん」




お城ではユイのことで皆んながバタバタしているというのに、当の本人は呑気に鼻歌を歌いながら歩いていた。

そしてやっぱり目の前にはモフモフさん。


『ねぇねぇ、あのモフモフさんってギルドにいた人だよねぇ。ガッチリしているしやっぱり剣士かなぁ?それとも意外なところで魔法使いさんかなぁ』


『………ああ、狼の獣人か。

だいたい狼や犬なんかの獣人は剣士が多いね。他にも魔法剣士やまれに闘士もいるな」


『とーし?』


『ああ、闘士、だよ。

なんて言うんだ?えっと素手で闘う人?だね』


ふーん。と自分で聞いておきながら最終的にはどうでもよくなったのか適当に返事をしてまたキラキラした目で獣人を見つめるのだった。





そうして気がついたらすっかり夕方になっていた。

道中モフ丸にまた教えてもらいながら薬草やキノコ、木の実を集めており、また、小柄なユイのペースではそこまで前に進んではいなかった。

しかし、本人はかなり歩いた気分ですっかり疲れきっていた。



「はぁ、疲れた〜。



モフ丸、今日はこの辺りで野宿しようか?」


街道から少し脇に入った林の中でキョロキョロと辺りを見回す。


『もう少し奥に入ろう。多分洞穴か何かあると思うよ』


そうして暫く進むと小川のすぐ側にモフ丸の言う通り小さな洞穴があった。水場も近いし一晩過ごすにはうってつけだ。


ウキウキと穴の中に入っていく。


『ユイ、待って!まだ中を確認してないのに!熊とかいたらどうするのー?!』


そんなモフ丸の叫びも虚しく既に奥に進んでいる。


幸いなことにこの洞穴には何もいなかったらしくモフ丸は一安心。

洞穴を見つけて元気になったユイとは対照的にすっかり疲れきっているモフ丸なのであった。



ユイはさほど広くないとはいえ、ある程度奥まで入っていた。そして夕方とはいえ少し奥に入ると流石に暗い。


「えっとー、明かりは〜、っと」


ユイが言った途端ポワッと拳大の明かりが灯った。


クフクフッ


『ユイの魔法はメチャクチャだね。普通人間は呪文を唱えて魔法を使うのにユイは殆ど使わないよね。しかも言うとしてもテキトーだしね』


「えー、だって長い呪文なんて覚えれないし、考えたら普通に使えるよ?




多分だけど言葉っていうより想像力?が大事なんじゃないかな?で、想像するには言葉にした方が想像しやすいから皆んな呪文を唱えるんだと思うよ。

私の場合この世界の人間じゃないことと、元の世界で魔法を使ったお話を読んだりしてたから想像しやすいんだと思うんだ」








ユイ?今サラッと何か大事なこと言ったよね?』


「えー?何かなぁ?想像力ってやつ?」


『ちーがーうー!!


この世界の人間じゃないって言ったよね!?それってユイが異世界からやってきた聖女ってことだよね?!』



「………あ」


そう。ユイはモフ丸に異世界人とは言っていなかったのだ。

というよりすっかり聖女云々は忘れていたのだ。


モフ丸が人間ではないことからすっかり気が緩んでついポロッと異世界人ということをもらしてしまった。

やっちまった!という顔をしても時すでに遅し、である。



こうして夕ご飯の準備の前にユイの身の上話をすることになったのだ。


「そもそも私が聖女かどうかなんてわかんないよ。ていうより優香が聖女だと思うし」


『いいや、ユイが聖女だね。

そもそも普通の人間と僕が契約できるわけなかったんだよ。

ユイの甘い香りってとこだけでも普通では考えれないのに、僕と契約できるって事は神様からの祝福を受けているって考えられるんだ』


「ん?どういうこと?」


『元々この世界にいたエンゼル・ヘアは神様の祝福を受けた人間の為だけの契約獣なんだ。

僕たちの持っている癒しの魔法、治癒魔法は普通では考えれないほど大きい。それは神様の大切な存在を守るために神様から与えられた力なんだよ。


そして聖女というのは異世界からこの世界に呼ばれた存在でこの世界の祝福を受けた人間以上に神様にとっては大切な存在なんだよ。

甘い香りっていうのはその相手を探す目印でもあるんだ。

うーん、昨日の時点で気付くべきだったんだよ。それなのにそんな相手に会う事はないまま、そのまま僕もみんなと同じようにいなくなると思ってたから油断した。




僕はこの世界で最後のエンゼル・ヘアなんだ。だから僕がユイの匂いに惹かれてユイと出会ったのは必然だったんだ』




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