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文明トカゲ  作者: ペン牛
八 懐旧の澱
193/263

14

 僕の席には佐治さんが持ってきてくれた水が置かれている。

「水、ありがとうございます」

「……あー、そりゃこのくらいはするわよ。アンタのおかげで無料で泊まれるわけだしね」

 佐治さんの顔を改めて見る――少し、やつれているようだった。

「痩せたんじゃないですか?」

「……そう見える?」

 佐治さんの声は珍しいほど弱気なものだった。

「はい」

 わずかの間の沈黙。

「――やっぱり、法山のせいですか?」

 空気が凍る。吐く息が真っ白になった外よりもずっと寒い。

「……だったら?」

 射るような佐治さんの視線。先程までの穏やかさは何処に行ってしまったのだろうか。僕は恐怖に身を竦ませて――けれどもう一歩、踏み込んだ。

「加志間美咲さんについて、教えてもらえませんか」

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