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文明トカゲ  作者: ペン牛
八 懐旧の澱
184/263

(……まぁ、とはいえ問題は他にもある)

 まず佐治さんが温泉旅館に来られる場所にいるのか、ということ。件の旅館は都内にあるので交通の便はいいが、だからといって例えば北海道や沖縄から来られるかというとそれは厳しく思われた。

(……あと、この宿泊券、部屋が一つなんだよな)

 佐治さんは男性で、僕は女性だ。恋人関係でない男女が同じ部屋に泊まるのは一般的にあまりよくないとされている。ただ、僕と佐治さんにその一般的な考えは適用されるのだろうか。

(佐治さんの恋愛対象は男性だし、僕はそもそも恋愛対象が存在しないし……だったら、別に問題はないんじゃないだろうか)

 いや、そもそも根本的な問題が一つある。佐治さんは果たして、僕と一緒に温泉に行って楽しいのだろうか?

(……多分、楽しくなさそうな気がする)

 楽しんでもらえないのに誘うのは意味がない。僕と佐治さんは友人ですらないわけだし。だが友人ですらないとしたら、僕と佐治さんの関係とは一体なんなのだろう。単なる知り合い? 僕から見れば命を救ってもらった恩人? トカゲを憎む者同士?

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