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文明トカゲ  作者: ペン牛
八 懐旧の澱
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 それはビべリダエでの仕事を終えて、家に帰ろうとした時のことだった。

「あ、ちょっと待って楓ちゃん」

 雪子さんが慌てたように僕を呼び止める。

「どうしたんですか?」

 雪子さんはやや躊躇いがちに、

「突然なんだけど、楓ちゃんって温泉は好きかしら?」

 と聞いてきた。

「温泉、ですか?」

「そう、温泉」

 口を右手で覆って考える。最後に温泉に行ったのはいつだろう。高校? 中学? いや、小学校の時に両親と行ったのが最後のはずだ。

「……あまり行ったことがないんですが、大きなお風呂に入るのは好きです」

 僕の答えに雪子さんは安心したようだった。

「よかった。それじゃあ、はい、これ。どうぞ」

 雪子さんから渡されたものを確認する。どうやら温泉旅館の宿泊券らしい――くつろぎの宿 山滝亭――と旅館の名前が書いてある。

「……これは?」

「常連のお客さんからいただいたの。温泉が好きじゃないんですって。でもこの旅館はすごくいいところなのよ」

 雪子さんがこの宿泊券を手に入れた経緯はわかったが、何故それを僕にくれるのだろうか。

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