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文明トカゲ  作者: ペン牛
七 怨讐の皹
169/263

19

「……何がしたいのよ、オマエは」

 佐治さんが仮面のような顔で言う。

「そりゃあもちろん決まってるさ――佐治、君の心をへし曲げたい。へし折ってへし曲げて、私の目の前で膝を突かせて救いを希うようにしたいんだ」

 トカゲの言葉を聞いて、佐治さんの目が細まる。

「……本気でそんなことができると思ってるの? オマエ」

「もちろん――私だけが君を本当に救えるのだから、佐治」

 トカゲの視線が、僕を刺し貫いた。

「なぁ、楓。君は知らないだろう。佐治が一体どれだけ救われなぶぃ」

 ――瞬き一つ分の時間で、佐治さんはトカゲの口の中に銃口を突っ込んでいた。引き金が引かれることはない。佐治さんの顔を見る。

 神に祈ることすらも忘れてしまった、あまりにも痛めつけられた人の顔。

 トカゲは自分の口の中に突っ込まれた銃を片手で掴んで、そのまま横にするりと、頬を通り抜けさせた。

「ひどいなぁ、佐治。喋ってる途中だったのに。歯が欠けてしまったらどうするんだい。もう少しくらい穏やかになってもいいんじゃないかな?」

 佐治さんはトカゲから奪い取るように銃を引いた。   

「――おい、トカゲ。お前に聞きたいことがある」

 僕のその言葉で、トカゲの顔が面白げに歪んだ。

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