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文明トカゲ  作者: ペン牛
七 怨讐の皹
165/263

15

「――ひどいな、これじゃあ何も見えないじゃないか」

 そう言ってトカゲはひどく面白げにゲラゲラと笑った。その様子を見て佐治さんも目を見開いて笑っている。状況のあまりの異様さに胃の腑が丸ごと融け落ちそうだった。

「加志間美咲のことでまだ怒っているのかい? 佐治」

 ――すう、と佐治さんの笑顔が消えた。そしてトカゲの胸に向けて引き金を引く。引き金を引く。引き金を引く。引き金を引く。引き金を引く。引き金を引く。引き金を引く。引き金を引く。引き金を引く。引き金を引く。引き金を引く。引き金を引く。引き金を引く。引き金を引く。引き金を引く。引き金を引く。引き金を引く。引き金を引いてガタンと音がした。トカゲの胸から上の部分がとうとう千切れて床へと転げ落ちたのだ――哄笑。

「なぁ――なぁ、佐治。一体君はいつまで引きずってるんだい。もういい加減わかっているだろう? 君は決して馬鹿じゃないんだから。何をどうしたってどうしようもないってわかっているじゃないか」

 佐治さんは床に落ちたトカゲの髪を掴むと、左手一本で持ち上げた。トカゲは変わらず笑っている。

「――えぇ、オマエに言われなくても、キッチリわかってるわよ。オマエとアタシの力の差も、それを知った上でこっちを煽ってくるオマエの最低最悪で生ゴミ以下の性格の悪さもね」

「ハハハ、生ゴミ以下とはずいぶんひどいな。私はもう両腕もないし、胸から下だってない。目だって潰されている。その上その言い草か。いや、流石だよ、佐治。そうでなくては私だってここまで君のことを気に入りはしないさ」

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