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(なんでもいい、やりたいこと、困っていること、真奈さんに頼みたいこと――あぁ、そういえば)
どこで知ったのかも定かではないが、デートの時にカップルがすることで一つ思い出したことがあった。
「真奈さん、もしよかったら、僕の下着を選んでくれないかな」
僕がそう言うと、真奈さんは一瞬等身大の蝋人形のような顔になり、
「――ごめん、せんせー、何言ってるかわかんなかった。もう一度言ってくれる?」
「あぁ、だから僕の下着を――」
「変態じゃないのせんせー!?」
真奈さんの反応を見る限り、どうやら僕の言ったことはまずかったらしい。だが、一体どの点がまずいのだろうか。
「……僕は自分のことは変態じゃないと思ってるけど、何か問題があったかな」
「大ありでしょ!! し、し、下着を選べとか何考えてんの!?」
「……真奈さん、僕と真奈さんは女同士だよ」
「そっ、そうだけど……そ・う・だ・け・どー!! もう、これだからせんせーって――」
そこで真奈さんの言葉は途切れた。