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文明トカゲ  作者: ペン牛
七 怨讐の皹
156/263

「それで、そろそろ脱いでもいいかな? この服。なんていうか、息苦しいんだ」

 僕がそう聞くと、真奈さんは難しそうな顔で、

「……もうちょっと、駄目?」

 と言ってきた。

(同じやり取りをもう六回はしてるはずなんだけどなぁ)

 服を着替えるだけとはいえ、流石にこれだけ繰り返すと気が滅入ってくる。そろそろ満足してくれないだろうか、と溜め息をつくと、

「――やっぱり、つまんないよね、せんせー」

 真奈さんが、表情を凍らせていた。

「あ――いや」

「私が楽しいだけだったんだよね。せんせー、ずっと上の空だし。せんせーは優しいから、怒らずにずっと私のワガママにつきあってくれてたんだよね」

 真奈さんの潤んでいく目を見た瞬間、絶対にデートで相手を泣かせてはならない、と脳が全身に指令を下す。

「――じゃあ、僕のワガママも聞いてもらおうかな」

 真奈さんが驚いたように僕の顔を見上げる。涙が止まってくれたのはいいが、問題はワガママなんて何一つ考えていないことだ。

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