表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
文明トカゲ  作者: ペン牛
七 怨讐の皹
155/263

「真奈さんは、どんな服が好きなのかな」

「え、どんな服って……せんせーが着る服のこと?」

「そうだね」

 真奈さんは少しの間考え込んでいた。

「……せんせーって基本地味で遊びがない服なんだよね……ガラッとイメージ変えるとなると、Ⅴ系? いやいやいやいや、極端すぎる……B系? 駄目、却下。別方向で極端すぎる上にせんせーのイメージと違いすぎ。と、なると……モード系、か」

 思考の一部を呟き終えると、真奈さんは僕の目をしっかりと見つめた上で僕の手を取り、

「よし、決まった! 行こ、せんせー!」

 そう言って、施設の中を歩き始めた。


 ――今の心境を一言で言うと、まるで死神にでもなったかのようだ、というところだろうか。

「……せんせー、すご。こんなのまで着こなせるなんて流石に予想してなかった」

 真奈さんに連れられてやってきた服屋で、僕は今全身黒尽くめの恰好をさせられている。左右非対称の異様なシルエットのコートにスキニーパンツ、そしてひどく仰々しいブーツ。こんな機会でもなければまず一生着ることはないだろう。

「……こういう服が真奈さんの好みなのかな?」

「いや、その……半分冗談のつもりだったんだけど、せんせーが着たら似合っちゃったから、どうしよう」

 どうしようと言いたいのは僕の方だ。鏡に映った自分の姿を見ても、なんというか、自分という気がしない。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ