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「……え?」
「トカゲとは神のことだ。世に蔓延る紛い物の神などとは違う、姿と力を備えた本物の神だ。だが神と認めてしまっては、人は絶望して立ち向かうことができない。だからこそトカゲなどという下らない名前をつけて貶めることで、辛うじて立ち向かえるようにしたのだ」
男はまるで僕が存在していないかのように狂った持論を展開し続ける。
「君はトカゲをまるで人間のように扱った。だがそれは誤りだ。あれはトカゲであり、神だ。あれにとって人も蟻も違いはない。普通の人間として生きたいだけ? 馬鹿々々しい! トカゲは人を踏み躙る! 必ず! 必ずだ! だからこそ私がこの手で殺さなければならない!」
――あぁ、間違っているよ、それは。