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文明トカゲ  作者: ペン牛
五 似姿の恋
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 帰りの電車の中で梓に無事を知らせると、僕は火津木さんにつきまとっているという男について考えた。

(……今度は、人間が相手なのか)

 もちろんトカゲを相手にするよりは圧倒的に気が楽だ。たとえどれだけ体格がよかったとしても人間には限界がある。能力の限界を推し量ることさえできないトカゲとは脅威の度合いに天と地の差がある。だが、

(だからといって、簡単には行かないだろうな)

 火津木さんや流谷さんに直接危害を加えていないことから最低限の理性はあると考えていいだろう。だが火津木さんの外出先に必ず現れる、というところに妄執じみたものを感じる。そういったものを抱えている人間との対話は、まず一筋縄では行かないだろう。

(――でも、やってみなければ結果はわからないんだ)

 自分を奮い立たせることに、段々と慣れている自分がいることに気づく。家の最寄り駅の、二つ手前でのことだった。

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