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次回予告

 魔法少女ロングロングフィールドとの戦闘において、味方を一人手に入れて、左腕を二回ぐらい無くした日から十日ほど経過した。

 結局その日は、魔法少女二人分の魔法力を手に入れて、左腕を二回ほど引き千切られて回復リカバリーした分の魔法力を失った。

 ちなみに、回復リカバリーをすると、前の腕はどろどろに溶けて消えてしまうようだった。

 合計ではもちろんプラスで黒字で得をしているんだけれども、なんだか損をした気分である。

 それからというもの、残る名も知らぬ魔法少女一人からの襲撃もなく、ただ淡々と妖精を退治して退治して退治して退治して退治して退治して退治して退治して魔法力を集めていた。

 そして、十日後。

 某県某市逆立ち中学校二年C組に転校生がやってきた。

 それも、二人である。

 一人は外国人。

 ボブカットの金髪で、毛先がふんわりと膨らんでいる。

 ああ、これが人工的ではなく天然の金色なんだな。と実感できるぐらい、目に優しい金色をしている。

 くりっとしている目は、眼窩に宝石を埋め込んだのではないか。と勘違いしてしまうぐらいには、綺麗な青色をしている。

 さすがに学校にあの恰好で来るような非常識は持ち合わせていないようで、学校の制服に身を包んでいる。


「どうも、初めまして。コスプレィヤと言います! 以後よろしくです!」

 ガン。と額が机にぶつかった。

 ぶすぶすと、頭の上から煙が出ている気すらした。

 可愛らしい転校生の登場に、男子たちが色めき立ち、女子たちがわいわいきゃあきゃあ騒ぎ出すなか、コスプレィヤは私の隣に座った。

 机に突っ伏して、見ないようにしている私をコスプレィヤは、満面の笑みで覗き込もうとしている。

 机から乗りだして、机と机の間にある通路に体を伸ばしている。『奇妙なやつ』以外に一体なんと表現すればいいのだろうか。

 どんなものも良い風に捉えられる美少女側のことなんてさっぱり分からない。

 ずっと無視していようと思ったんだけど、コスプレィヤは無視していることにすら分かっていないのか、私の顔を見続けている。

 キラキラした目だ。

 やめろ、綺麗な顔と目で日陰者を見るな。

 私は大きくため息をついて、コスプレィヤの方を向いた。


「やっぱりハナです。お久しぶりですね」

「あんまり大きな声で喋るな。目立ちたくない。人の目を集めたくない……」

 美少女転校生と親し気に話しているだなんて、私のキャラじゃあないし、人の目を集めすぎる。

 人の目は嫌だ。好きじゃあない。

 なにを考えているのか分からないから、とても怖いんだ。


「あんたなんで、どうしてここにいるんだよ……」

「どうしてここにいるの。と聞かれましても、転校してきたとしかいいようがありませんが」

「なんでうちの学校に、うちのクラスに。転校してきたの」

「この学校の範囲内に引っ越してきたからで、クラスに関しては、運が良かったとしかいいようがありませんね」

「どう考えても、運が悪いだよ」

「寂しいこと言わないでください。私はとっても嬉しいんですから」

 頭を抱える。

 なんでこいつが私の隣に……。

 隣でキラキラした目をしている転校生から、私は視線を教室の前にうつす。

 二人目の転校生が立っていた。

 黒板には『怒鳴夢』と書いてある。

 なんだそれは。なんて読むのだそれは。

 危なっかしい漢字と希望に満ち溢れた漢字が混ざっているのだけれども。

 ああ、いや。

『夢』が希望に満ち溢れた漢字ではないことは、私やコスプレィヤみたいな魔法少女は、理解しているつもりなんだけど。


怒鳴どみょうめい

 名乗った。

 名乗りをあげた。

 なんだその名前は。

 自分で切ったみたいように、適当に切られた黒い髪を耳の横まで伸ばした、ボーイッシュな感じの女子である。

 ボーイッシュというか、スポーティーというか。

 適度に日に焼けていて、小麦色の肌をしている。

 男子よりかは女子にモテそうな見た目をしている。男子からはゴリラ女とか陰で言われていそう。

 ギラギラとしてギザギザしている歯を見せつけるように、にぃっ。と笑っている。

 なんだったっけ。あの攻撃的というか、好戦的な笑顔。どっかで見たことがあるような気がするんだけど……。


「長野県からやってきた! 長野に海がないのは絶対におかしい。あれば私がとても幸せだ! そんなことを考えながら私は魔法少女をやっていた! ちょっと前までな! 以後よろしく!!」


 誰かが盛大にこけた音がした。

 音のした方を向いてみると、いつもは真面目で澄ましていけ好かない表情をしている委員長が、まるで大阪のコントみたいに、ずっこけていた。

 委員長の間抜けなところが見れて、私はとても満足です。


「な、なんであんたが……」

「んー?」

 こけた委員長は赤くなった額を撫でながら、転校生を見て小さく呟く。

 いつもは静かで真面目な委員長のオーバーリアクションが珍しかったからだろう。皆の視線が一挙に集まり、転校生も委員長の方を見やる。

 そして、多分、委員長の元の姿を見たことがあるのだろう。にぃっ。と快活に笑うと、転校生――ロングロングフィールドは委員長を指さした。


「お前、この前の炎使いの上半身水着露出魔!」

「やめろおおおおおぉぉぉぉぉぉっ!!」

 委員長の、誰も聞いたことがなかったであろう怒号が、学校を揺らさんばかりに響いた。


 ***


 365日イタイ子(エブリフール) 笛吹花ふぶきはな

 ガワだけを見て(コスプレィヤ) ???

 聞け(ボー)我が名は健全なりて(リング・ガーリッシュ) 緑野長靴えんのながぐつ

 井の中の蛙大海を欲すロングロング・フィールド怒鳴夢どみょうめい

 こうして集まった魔法少女二人と元魔法少女二人。

 難あり癖あり意味なし価値なしな四人組が集まれば、変なことにならないはずはなく。

 次回、学園編。

 こうご期待?

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