【ちょっと休憩】人物辞典
ここまでの登場人物を示す。
(ちゃんと本来の続きもあります。続けてどうぞ)
2015/08/27 一部訂正。特に人間族以外の人間種族の項目。
・主人公(姓不詳、名は健一):通名ハチ
本編の主人公。コンビニから出た瞬間(と本人は認識している)に異世界に行ってしまう。
自分の記憶の中なら何かを取り出すという異能を持っており、転移直後、ひとりぼっちの不安から愛車である軽四ワゴン『キャリバン号』を呼び出してしまう。以降、それと共に旅をする。
ちなみに、異能と異常にでかい魔力以外は普通の人間といっていい。
見た目がちょっと若返ったみたいだが、元おっさん。
・キャリバン号
元はスズキ・キャリィバンという古い軽ワゴン車で主人公の愛車だった。ただし入手時点で相当にポンコツだったうえに純正でない部品が多々ついていたらしい。
主人公の力で、この世界における彼の愛車として新たに再生成された。性能他はまるっきり別物なのだが、運転感覚や速度性能は、主人公の記憶に準拠しているので元のキャリバン号そのまま。ただしあくまで互換品なので、謎の超機能など意味不明な部分がたくさんある。
なお、主人公はこのキャリバン号が、思い出を元に主人公自身が作り上げたイミテーションのように認識しているが(以下略)
・ラシュトル族
地球におけるラプトル種の恐竜に非常によく似ているが、高度な知的生命体。真竜の森の守り手でもある。
人間族はラシュトルが知的生命体であると認めておらず、しばしば排除を試みるが、無駄な抵抗であろう。
知的レベルの高い種族によくあるが、人間も顔負けに好奇心旺盛。しかも走るのが素早いので、しばしば人間の馬車や魔獣車に遊びにきてしまい、誤解から惨事が起きる事がある。
・ドラゴン
固有の名称は不明。
真竜族はいわゆる西洋タイプのドラゴンである。この世界のバランスを保つ事を仕事としており、現在はむかし焼き払われた中央大陸に緑地を取り戻す作業を行っている。このため、彼のいる森は年に半リーグほどの速さで拡大し続けている。
彼が主人公に手を貸すのは善意だけでなく、彼を利用して破壊が行われないようにするという意味もある。また彼自身も主人公に興味をもっており、行く先を見守っている状態にある。
・アイリス
この世界に偏在する、いわゆる精霊要素を固めて作られた一種の合成生命体。生成において、真竜により根幹部分が、そして主人公の魔力や願いによりそれ以外の部分が形作られている。最優先アクセスキーである真名は真竜が保留したままになっているが、事実上の所有者は主人公である。
彼女自体もかなり強力な魔道士といえるが、彼女の業務は戦闘でなく、主人公を脅かす者から彼を守る事である。この世界の常識に疎い主人公が名を奪われたりして誰かに隷属させられないよう、場合によっては悪意の対象を破壊・排除する事も任務に含まれている。
なかば強制的に主人公と男女の関係を結んだ。これは完全にアイリスの自由意志によるものである。
(人間族の異性に籠絡されないように、というドラゴンの思惑は確かにあったが、それはいわば非常時の緊急避難マニュアルでしかなかった。しかしアイリスはドラゴンの指示を越え、パートナーの位置に収まった。これは命令外行為であるが、ドラゴンにとっては彼女の選択も興味深い計算外にあたるようだ)
名前の由来は、眼の色。アイリスは銀髪に灰色の瞳であり、日本人である主人公にはとてもめずらしい色だったのでこの名がつけられた。
・ランサ
中央大陸に住んでいたケルベロスの生き残りで、まだ子犬。メスである。
しかし3つの首をもち知能は高く、そこいらの魔物程度なら全く相手にならない。実は主人公と出会った時には傷ついてただ一匹生き残り、ボロボロで死にかけていた。主人公がかわいがったおかげで元気になったが、おそらくもうケルベロスとして本来の生活には戻れまい……。
可愛い子犬ポジションに落ち着いているが、たぶんこやつ、実際には成獣になってからも主人公たちがいる限り、同じ生活を続けると思われる。
名前の由来は、スペイン語の希望。
・明けの聖女(仮名・名前不詳)
聖国における聖女であり、かつて強制的に聖女に祀り上げられた異世界人『鷹司栞』の子孫。強大な魔力を隠す術を持っているが、他の人間国側ではそれが知られていないし隠すのも巧みなため、象徴的聖職者以上の目では見られていない。
なお、実態を知る聖国関係者には『お嬢』の愛称で知られている。
・リンチー精肉店の主人と弟子
名前不詳。猪人であるが、いわゆるファンタジーのオークとは違う。料理人や職人には猪人は結構いるらしい。
・水棲人のお姉さん
名前不詳。ウロコだらけの青い魚肌だが顔は獣人よりはるかに人間に近い。某SF映画に出てきた異星人にも似ているが、しっぽに触手はついていない。
・オルガ・マシャナリ・マフワン
魔族。魔道学者。
魔族でもネジの外れた、マッドな方の研究者で知られている人物。種族ごとに異なる発現をする魔法の不思議さを研究する、いわゆる比較魔道学という学問のいちジャンルを起こした魔族屈指の才媛。そして人間族世界において290年前、災厄認定を受けた第一級の危険人物。
全ての人間国から無期限の指名手配を受けているが、接触に成功した者すらいない。
・マイケル
本名不明。原始飛竜族(翼竜族)
人間より大きな身体をもち、翼と魔力で空をかける一族。飛翔能力だけならこの星の生き物では最強であり、成層圏を飛ぶ事すら可能。
男性名を名乗っているが肉体的にはメスらしい。しかし人間の目には区別がつかない。
・人間族国家の人たち
実にどうでもいいモブ。ただし聖国関係はひとクセあるヤツが多い。
・鷹司栞
今はまだ設定のみ。
この世界の時間で二百年ほど前にやってきた異世界人の少女。生粋のお嬢様でもあり、たちまち騙されて隷属の首輪をかけられ、当時の聖王の奴隷にされてしまった。
だが、彼女の真価は奴隷にされて以降に発揮されたと言われており、それが今の聖国の元にもなっている。
彼女については、やがて語られる事もあるだろう。
・樹精王
植物系の魔物や精霊の王。王といっても性別はなく、あえて言うと女王という表現の方が正しい。人間族は古代樹霊と呼び、掘り起こせば高値で売れるとして冒険者垂涎の「お宝」でもある。
中央大陸砂漠部の個体は、大戦時に地上部から上が焼かれており、眷属たちが融合して上部の補助をしている。地下部分は深度2km以上までに渡って巨大な根を張り巡らせており、複数の大深度地下水脈に接触、ここから吸い上げた水をもって、砂漠の一角に原生林を生み出している。
ただしこれらはまだまだ小さいため、トレント等の植物系モンスターが守護している他、森全体も結界により人間の接近を拒んでいる。
・ルシア
樹精王の幼生体であるが、生まれた時の状況が悪く、母のような成体になる事は難しい状況にある。
主人公には告げていないが、彼女の仕事は旅先で種をまく事やキャリバン号の補助だけではない。だがそれはずっと未来、主人公が事実上亡くなってからの話である。
・ルシア妹(仮称)
樹精王の幼生体であるが、ルシアよりもさらに悪条件で発芽してしまった個体であり、意識レベルも低い。おそらくこのまま主人公に取り込まれていくと考えられているが、それはルシア自体が望んだ「最後の手段」でもある。
主人公にとっては、これからお役立ちな相棒となっていくのだろう。
・黒猫さん(♀)
サイカ商会を自称する謎の猫人。もし本物ならサイカの名は世襲制なのでサイカ・スズキが本名となる。赤子言葉は愛する旦那のためにわざと使っている。言葉はマヌケだがただの惚れた弱みであり、実際はとんでもない切れ者である。
・黒猫さん(♂)
サイカ商会を自称する謎の猫人。もし本物なら逆玉の婿養子で、奥さんの幼なじみ。
赤子言葉の異性に萌えるという困った性癖をもつが、赤子言葉は子育て中のママが使う以外では恥ずかしい言葉とされており、わざわざ自分のために使ってくれる奥さんがいるなんて、まさに爆発しろ的な人、いや猫である。伊達に愛されてはいないようで、商才はサイカの婿にふさわしいものを持つ。
・人間族(全般)
この世界における人間。通常生命体なので強大な魔法を使えないはずだが、魔法陣などの技術を持っており、その技術力をもってこの世界の主人は自分たちと考えている。だがそれらの技術は、魔法関係はエルフから、科学や鍛冶関係はドワーフから盗んだものが基本となっているのを、自分たち独自のものと言い張っている状態である。
本来、この世界の人間族は他の様々な種族を生み出すために生まれた存在で、それらの始祖として静かに滅びていくはずであった。だが実際は他種族を自分たちの繁栄のためのリソースとしか認識していない。
人間族の衰退は続いている。すでに彼らの勢力圏である中央大陸にはもはや、人口が減りすぎて管理不能になった荒野が数千キロにも渡って広がっている。
・獣人族(全般)
二本足で立ち上がった獣、という出で立ちの種族。ただし動物タイプの精霊と人間の交歓で生まれたという説があるものの、実際の動物と関わりが確認されたケースはない。ベースとなった動物によって細かい呼称があるが、これらは全部、ひとっからげで獣人族と呼ばれる事も多い。
なお、水棲人は獣人族ではなく、エルフや魔族同様に亜人系に分類される。
・水棲人(全般)
水に還った人。水中生活に立ち返った人類であり、耐水・耐寒のための身体機能をもち水中活動も平気だが、水から長時間離れられなくなってしまった。
基本性質上、毒への耐性がワニ以上である。また、見た目は鱗肌の弱そうな人間であるが剛力は人間のそれではないので、怒らせないほうが無難。
・魔族(全般)
魔力にあまりにも特化するあまり変質してしまった人類。過去に強大すぎる魔力をもつ地球人との交雑で生まれたとも言われているが、獣人族の俗説同様に根拠のない伝説でもある。魔力の強さゆえ千年を生きる個体もいて、しばしば種族間対立の矢面に立たされる事もある。
実際には、心優しい種族でもある。
なお、ドワーフと違った意味で研究バカ。ただしドワーフと違って魔法寄りである。
・エルフ族(全般)
森の種族。
鍛冶と科学のドワーフと双璧をなす魔法のエキスパートで、特に森や結界に関するものが得意。
ただし、同様に魔に秀でた魔族と違い、それはあくまで自然界に関わるものに限られる。
体力的には弱く、組織的に人間族に狩られて悲惨な事になりつつある種族でもある。
彼らについてはよくわかっていない事も多い。ドワーフ同様に人間族の迫害下にあるが、これまたドワーフ同様に種族としてはこの世界から距離を置いており、人間族に捕えられるのは、あえてこの世界の森に住む一部の部族のみだとも言われている。
・ドワーフ族(全般)
森のエルフと双璧をなす科学と鍛冶のエキスパート種族。しかし技術力の高さを危険視した人間族に奸計にかけられ、滅ぼされたとされている。
ただし滅びたと断言しているのは人間族のみ。
彼らの本体は今も滅びる事なく存在するが、その主体は地上にはない。辛うじて残っているのは一部の研究者だが、俗世に出てくる事は一切ない。




