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始まりと、僕達のいる世界
「――視界が変わればすべてが変わる――」
この世界にはどこか別の世界を視ることのできる者たちがいる。
彼らはそれぞれの視た世界から知識を持ち込み、自分たちの力としていった。
彼らを人は様々な名で呼ぶ。ある人は異能と、ある人は神職と、ある人は魔法使いと、ある人は神そのものと。
彼らはその力を生まれた時から身につけているわけではなく、自分及び仲間の身に危険がせまったとき、世界の理不尽に激昂した時、己の全てに絶望した時など、何かしらの理由を持っていた。
ただ一人、『彼』を除いて。
これはそんな世界に住む、普通ではない少年の物語。