14.放課後の会談
「………と、いうのが俺とゼルの大体のお話だ」
その話を聞いた俺たちは涙目になっていた。
「おいおいどうした?もう俺達はあの航海のことは乗り越えたから大丈夫だ」
「だってぇ…だってぇ…」
「そうですよ…」
「俺達はあの航海で成長した。でもそのことも辛かったで終わらせてはいけない。だからもう大丈夫だよ」
そう言って師匠が優しく微笑む。
本当に先生達は強いんだなと実感した時、酒場のドアが開く。
「ネルネス、いるかー?ってなんでお前達泣いているんだ?おいネルネス流石にこれはやり過ぎだろ…」
「違う、あの航海のことを話してたんだよ」
先生が少し目を見開く。
「そうか…話したのか」
「話しちゃ駄目だったか?」
「いや、いい。いつかは話さなくてはいけないことだったからな」
そうして先生が俺たちの方を向く。
「もうすぐ学校が始まる。今日は休みでいいから明日の朝からここにきなさい」
そうして特訓初日を終えた。
―――――――――
「なんか師匠まだ会って二日って感じしないんだよなぁ」
学校の帰り道ソーンが呟く。
「分かる。昔の話を聞いたってのもあるけど先生となんか似てるよな」
「そうなんだよ。時の流れって凄いよな」
教師だからか先生はちょっと堅い感じだが、師匠は全然そんな感じがしない。
そんなことを考えていた時、正面から声をかけられる。
「やぁ君達。暇かいな?」
「あっ!師匠!」
そこには串焼きなどを携えた師匠がいた。
「今孤児院を回っていたところなんだけどそしたら色々もらってしまって…よかったらその辺を回りながら一緒に食べないかい?」
「まじですか?あざます!」
「お前即答するな。でもいいんですか?」
「あぁ大丈夫だ」
ということで野生の師匠と街を回ることになった。
「ところで君たちは何をしていたんだ?」
「今日は特訓が無いので帰ってまぁダラダラでもしようかと」
「むうむうむいもまみむ(右に同じく)」
ソーンはもらった食べ物を即座に食らいついていた。
「育ちがいいのに品性が全く感じられないなぁソーンくん」
「もまみももんまみめままみもももむん」「わからん、わからん」
冗談で言っただけなのに本当にコイツは貴族の長男なのかと疑ってしまう…。
「仲が良いことは良いことだね」
「本当にそう思いますかぁ?」
「あぁ、良いことだよ。自分達を高め合うことができるからね」
「師匠も先生とやっぱり競い合ってたんですか?」
口の中に入っていた物を全て飲み込んだソーンが質問をする。
「競い合っていたよ。途中までだけどね」
「途中?」
「僕はね、逃げてしまったんだ。今朝話した通り僕達はあの航海の後、必死に努力して誰かを助けられるぐらいに強くなった。でもね、僕は途中からゼルについていけなくなってしまったんだ。自分で言うのもなんだが僕はその辺の騎士なんか一蹴できる実力はあると思っている。ただゼルは異常だった。あいつは僕のように天恵もない。ましてや魔術が苦手で基本、不完全魔術しか使かわない。それなのに努力という一番確実だが一番難しい方法でその壁をぶっ壊して僕がついていけないぐらいの高みに登ったんだ」
「じゃあ先生は師匠より強いんですか?」
「高みというのは単純な強さだけでは無いから強い、とは一概に言えないけれど僕はゼルには勝てはしないだろうね」
「勝ては?」
「うん。知っての通り僕は視線感知の天恵があるから格上の相手でも戦えないことはない。全力を尽くせばそう簡単には負けないという自信はあるんだ」
先生の強さを知っている為、師匠も相当強いことが想像できる。
しかしまさか先生の方が強いとは。
「師匠なのに先生より弱いんですね…」
「君たちが勝手に僕を師匠と呼んだだけだろう?流石にひどいぞ…」
「すみません。でもじゃあなんで先生は師匠に俺たちのことを頼んだんですかね?忙しいから?」
「それはね、忙しいのもあると思うけど、ゼルの戦い方が普通の人では真似できない特殊な物だからだよ。その点僕は色々な物を使って戦うから君たちに合わせた戦いを手っ取り早く教えてあげることができるって訳だ」
なるほど。
障壁を使えるようになってステップアップしたのか。
「だからこれからは多分ゼルより僕との特訓が増えると思うよ」
「そうなんですね」
「言っとくけど僕の特訓はきついぞー。時間もないからね」
「どんな特訓をするんですか?」
「まずは最も優秀な攻撃魔術の衝撃を極めてもらって、それと並行してひたすら自分の型を探して模擬戦をするよ。駆け引きとかもちゃんと教えてあげる予定だから楽しみにしててね」
「「おお!!」」
今までとは違い本格的に戦闘訓練が始まりそうで楽しみだ。
「ん?時間がない?それってもう航海団の入団試験が始まっちゃうってことですか!?」
「いや、航海団の入団試験は半年後ぐらいだと思うけど…」
「じゃあなんなんですか?」
航海団の入団試験ではない?
全く心当たりがなく思わずソーンと目を合わせる。
「あぁ、君たち今年の王立学校闘技会に出場させられるらしいからね」
「「え???」」
どーも脱力鍋です。
さあヴァンスくん達が強くなってくルートにどんどん突入していきます。
果たして王立学校闘技会とは!?
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ではでは




