ゲーム世界に転生した!?
「ここが、ライクラの世界か⋯⋯!」
俺は今、ゲームの世界の中にいた。
「お、あれは村か?後で行ってみるか」
とりあえず今は木こり木こりっと。
俺は近くの手頃な木を殴ってみる。
「おお。木を殴ってるのに痛くない。ここがゲームの中だって実感出来るな。」
そう、ここはゲームの中の世界。
具体的には、広大な世界を自由に開拓する事の出来る、ライフクラフトというゲームだ。
俺がこんなゲームの世界に来てしまったのには、当然理由がある。
それは、数分前に遡る―――
◇◆◇◆◇◆
「どこだここ?」
俺は気づいたら、何もない真っ白な空間にいた。
周りを見渡してみるが、本当に何もない。
あるのはどこまでも広がる真っ白な空間だけ。
「思い出せ⋯⋯何がどうしてこうなった⋯⋯」
ここに至るまでの事を思い出そうとしてみるが、不思議な事に何も思い出せない。住んでいた場所も、家族も、自分の名前すらも。
どうにかして思い出そうとしていると、真っ白な空間に声が響いた。
「思い出そうとしても無駄ですよ。あなた、死んだんですから」
驚いて声のした方を見てみると、漫画とかでみるような女神っぽい人がいた。ん?なんで漫画の記憶があるんだ?
……ダメだ。思い出せない。
それよりも、気になるのは今この人が言ったことだ。
「今、俺が死んだって言ったか?」
「はい。あなたは死にました」
「いやいやいやいや。そんなわけ⋯⋯」
「まぁ信じられないのも無理はありません。何せ死ぬと記憶すら失うのですから」
記憶を失う?
「死ぬと記憶を失うのか?」
「はい。死ぬと生前の記憶は失われ、魂だけがここに来ます」
「だが、俺は漫画の記憶を少しだけ思い出したぞ?」
「それは、生前の価値観や性格が残るからです。そこに僅かながら記憶が付随する事があります」
「じゃあ、その記憶を取り戻す方法はないのか?」
「死ぬ直前の記憶を僅かに思い出させる事は可能です。実行しますか?」
「ああ。頼む」
俺がそう言うと、女神は俺に近づき、俺の頭に手を当てる。
そのまま空中に魔法陣のような物を描き、それを手に纏わせた。
すると、俺の頭に少しづつ記憶が戻ってきた。
「ついに買えたぞっ。ライフクラフト!」
俺はそう言いながらゲーム販売店から出てきた。
「バイトして、お金を貯めて、パソコンを買って、さらにお金を貯めて、ようやく買えたゲームだ。家に帰ったら早速プレイしよう」
どうやら、俺はライフクラフトというゲームを苦労して手に入れ、家に帰ったらプレイするつもりだったようだ。
「やっぱり最初は村を見つける所からだよな〜。そこから洞窟を探して物資を集めて〜」
俺は頭の中に攻略法を思い出す。
そんな考え事をしていたからだろうか。
前から突っ込んでくるトラックに、直前まで気付かなかったのは。
ププゥーーーーー!!!!!
トラックのクラクションで、俺はトラックが突っ込んでいる事にようやく気付く。
だが、気付いたときにはもう既にトラックが目と鼻の先まで迫ってきていた。
「っ!」
スローモーションで突っ込んでくるトラック。
驚いた顔でこちらを見ている通行人。
トラックの運転席をよく見てみると、ながらスマホをしていたのか、手にスマホを持っている事が分かった。
こんなので⋯⋯こいつのながらスマホのせいで、俺の人生が終わるのか?
最期に俺の目が映したものは、視界いっぱいのトラックと、その視界の端に僅かに見える、女神の姿だった。
「思い出しましたか?」
「ああ。よく思い出したよ⋯⋯。俺、本当に死んだんだな」
実際に見てみると、なぜかこの出来事が本当の事だって頭の中で思ってしまう。おそらく、元々ちゃんと俺の中にあった記憶だからだろう。
ともかく、俺は確かに死んだ。トラックに轢かれて。
「俺は、この後どうなるんだ?」
「この場合、あなたに過失はありません。よって、好きな世界に転生する事が出来ます」
好きな世界、か。
俺が転生したい世界……行ってみたい世界……。
「ゲームの中に転生する事は出来るか?」
「はい。ただ、本来とは少しだけ違う世界となります。どんな違いにするのかは、あなたが決める事が出来ます」
「じゃあ、この追加要素を入れることは出来るか?」
俺は生前の記憶で頭の中に浮かんだおそらく俺が気になっていたであろう追加要素の事について話した。
「出来ますよ。それを追加すれば、本来と違う世界になるので、あなたの望み通りの世界に転生出来ます」
「あといくつかあるんだが、いいか?」
「はい。話してみてください」
俺はその後、女神に言っていくつかの追加要素を入れた。
「後はありますか?」
「いや、こんなもんでいい」
「では、転生を始めます」
そう言うと、女神は何やら床に大きな魔法陣を描き始める。
しばらくして、女神は巨大な魔法陣を描き終えた。
「ここに立ってください」
女神の指差した所に立つと、魔法陣が光り始める。
そして、だんだん視界が光に覆われていく。
「最後に、この世界で生き残るための能力を与えます」
女神は光る手で俺の体に触れ、何かを俺に与える。
「くれぐれも、死なないようにお気を付けください」
「ああ。また死ぬのはごめんだ」
「では、よい人生を」
そう言って、女神は最後ににっこりと笑った。
一話だけ公開します。まだストックがたまってないので、二話以降の公開は未定です。なるはやで投稿出来るよう頑張ります




