まさか…
宝物庫。 その横にある倉庫みたいな奥行のある高さは宝物庫くらいか。そこに雄一達はいた。
何故ここいるかというと、雄一と正義がここに何があるのかとルーバー王に聞いたからだ。
倉庫に入ると、中は、明かりがついていなく真っ暗でオイルと鉄の匂いが充満していた。
バッ!バッ!バッ!
と音が鳴り、ライトに周りを照らされると、そこには
横たわる、人型の大きな鎧があった。
「なっ!?」「嘘だろ…」
正義と雄一はそれを見て驚き、言葉を失う。
「驚いたか? これも、歴代の勇者達の遺物だ」
とルーバー王が説明すると
「歴代の勇者は馬鹿か!? こんなもんまで造ったのかよ!?」
「まさおにいさん、これってなんなの?」
「これは…、人型戦術兵器 モビルスーツだ。 だが、これは、アニメとか漫画の世界の想像物だったんだよ! なのに…」
(それに、この姿形どこかで…。……あっ!?)
「王様よぉ、これが使われたって記録はあるか?」
「ふむ。 余が記憶する中では無かったと思うが…。 何やら、ただならぬ事情があるご様子。 調べさせよう」
人型の鎧は丸い顔で口元から上向きにおヒゲが伸びている。胴体はパット見四角く、両サイドから流線型の肩パッドが伸び、そこから腕が生えている。胴体の下は逆三角形のような腰があり、付け根から脚が伸びる。
「セイギ、これってさ」
「ああ、多分あれだ。 文明を破滅させたとされるアレだろうな。 ター○A○ンダムだ」
「アレ、搭載してると思う?」
「逆にしてないと思うか?」
「「ないなぁ、はぁ…」」
「ちょっと! 二人で納得してないで説明して!」
雄一と正義だけで驚き、二人で納得しため息を付く。 だが、周りは何が何だか理解が追いつかず戸惑っていた。
そこで、春希が説明を求めた。
「ああ。まぁ、なんだ。 歴代の勇者の遺物って話しなんだよな?」
「ええ、そうみたいね」
「一葉がさっき貰った『身喰いの剣』。アレみたいなトンデモ能力が備わってるかもしれない。 ここまではいいか?」
「ええ」
春希達は頷き続きを促す。
「コイツは、向こうで結構前にやってたアニメに出てくる空想上の兵器だ。 んで、コイツ。 そのアニメで地球上の文明を破滅させるトンデモ能力を備わってるんだよ。 さぁ、ここで問題だ。 『身喰いの剣』みたいな剣を造り出した歴代勇者達がソノ力のを搭載させないと思うか?」
「それって、めちゃくちゃヤバくない?」
「ああ、ヤバイ。 んでよ、思い出してくれ。この世界の記録。ある時期を境にそれ以前の記録が遺失してるって話じゃないか。 コレ。 関わってんじゃね?」
それを聞いていた物は顔から血の気が引いていて、ルーバー王にとってはこの世界の黒歴史に触れる話のせいか体が僅かに震えていた。
そこに、更に雄一が追撃を掛ける。
「ああ、そういえば。 胴体部分に核弾頭も装備してなかった?」
「バッカ! 折角、スルーしてたんだから暴露すんじゃねえ!」
バシッ! と雄一のあたまを叩く。
「マサヨシ殿。 その、カクダントウとやらはどういったものだろうか」
「…まず、核弾頭というのは爆弾みたいなものだ。 それが爆発すると、太陽よりも熱い直径ニキロくらいか?その範囲に火の玉が生まれる。火の玉の中は人だろうが、建物だろうが一切合切全てが蒸発する。それに伴い光も出てな。その光を見ると目が数時間見えなくなるらしい。 しかも、その光は熱を伴って半径十三キロくらいの範囲を灼き尽くすらしい。それが第一段階」
「第一。ということは次があるのか…」
「ああ。 第二段階の始まりは衝撃波だ。 それは爆心地から離れれば多少、力が弱まるが、それでも、建物は倒壊、人は埃の様に吹き飛ぶ。 そんでもって、きのこ雲っていう馬鹿デカい雲が出来んだ。そこに吹き飛ばされた空気が戻ってきて流れ込むと爆発によって生じた火災は一気に勢いを増す」
「酷いな…」
「次だ。 第三段階に生き残った人々のパニックと放射線。ソレを大量に含んだ黒い雨が降ることだ」
「ホウシャセン? 黒い雨だと?」
「放射線ってのは、まぁ、俺もよく理解はしてないが、体に害を齎す物質だな。 ソレを含んだきのこ雲で巻き上げられた塵や灰が雨となって広範囲に降り注ぐんだ。 この雨を浴び続けると数日で死ぬ。つまりだ、核弾頭一発で都市を一つ壊滅させることが出来るってわけだ。 だが、それは俺たちの世界での話だ。 これは俺の想像での話だ。確実じゃないが、おそらくこの世界で使えば被害はもっとデカい」
「どういう事だ?」
「まず、爆発で生じた衝撃波。 これは空気の振動で生まれるって聞いたことがある。厳密には、違うかもしれないが。 でだ、その空気の振動が建物を破壊してくんだが、俺たち世界の建物は鉄筋っていう骨組みが入って強度を増してんだよ。 この世界のはどうだ?」
「ふむ。 基本は石組みと木造だな」
「なら、俺たち世界のモノより強度が少ない」
「あ! もしかして…」
愛莉栖が何かに気づいた。
「気がついたか、天王寺。 多分、お前が想像した通りだろうな。 空気の振動ってことは、何かにぶつかればそれは、減衰される。ぶつかった物が強固であれば、それだけ力は弱まるだろうな」
「そういう事か…」
ルーバー王はこの話に衝撃を受け、よろめく。
「その、カクダントウとやらがこの遺物に…?」
「かもしれないってだけだ「一葉君!?」おい! どうした!?」
一葉が勇者の遺物に近づき、ペタペタと触っていた。
「おぉおい! こんの馬鹿たれ!」
正義は直ぐに走っていき一葉の頭にゴツン!と拳骨を落とした。
「イッタぁ!」
頭を抑え、座り込む一葉に
「今の話、聞いてなかったのか!? コイツは危険なものかもしれねぇんだぞ!」
「だいじょうぶだよ!」
「何がだ!」
「だって、コレ。 ハリボテだよ!」
「何を言ってるんだお前は!」
一葉が指差す。
その先には、モビルスーツ(仮)の脚に何か刻まれていた。
―コレはハリボテだよん!
―もしかして〜。騙されちゃった?あれじゃね?って
―プギャー!プークスクス
―ざーんねーん。 これはただパレード用のハリボテでした〜
―あ、もしかしてだけど。色々、御高説垂れちゃってた? 垂れちゃってたんだ!
―ザマぁ☆ お疲れさん! 乙です!キャハハ!
「っふ!」
バゴン!
正義が刻印に向かって殴打する。
「セイギ!?」
雄一が驚きの声を上げ、『あー!!』と周りから悲鳴に似た声がした。
「ん!」
正義が親指を立てて指差す。
見ろと雄一達に無言の指示をだす。
それに従い、見に刻印に近づく皆の顔は青褪めた顔からカァーッと赤くなっていき、怒りの形相に変わっていく。
『うぜぇー!』




