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名付け

「さて」

「話を聴かせてほしいんだけど。いいかな?」


 大柄の男が目線の高さまで屈んで、そう聞いてきた。


 少年は、頷き。


「あの……おじさんたちはだれ? おねえちゃんはどこ?」


「あぁ~。お姉ちゃんね………」


 少し、逡巡しながら、答えた。


        「死んだよ」


 落着いた声でそう、告げられ頭にガツンッと衝撃が走る。


「大島さん!!」


 女の人が声を、荒げていた。


「まだ、こんなに小さな子にそんなこと言わなくてもいいじゃないですかッ」


「黙れ! コイツは"お姉ちゃん"って呼んだんだ!家族かそれに近しいんだろう! だから、知る権利がある!知る必要がある! それに……。聡い子だ。俺たちの言葉をきちんと理解してる。」


「だからって!………あんまりじゃないですか………」


「はぁ……。すまないね。話が、逸れた。 まず、俺たちは政府直属超常現象災害テロ対策室所属。大島雅人(おおしままさと)だ。 まぁ、超常的な現象。超能力とか魔法による災害とか、テロとか、そういうのをどうにかする所だね んで、そっちのは……」

 

「同じく、政府直属超常現象災害テロ対策室所属。桜樹茉莉(さくらぎまつり)よ。よろしくね。 それで………。君の名前も教えてくれるかな?」


「じゅういちばんめ」



 そう、答えると二人とも、固まった。


「それが、君の名前か?」


 ぼくは、うなずく。

「そう、みんなが」


「皆ね……」


大城さんは何か考え込み、そこから、どんなところにいたのか。他に、子供達がいたのか。どういう、生活を送っていたのか。 大人はいたのか等、いろいろなことを聞かれ、ぼくは答えていった。


 途中で、桜樹さんは顔色を悪くして、出ていったけど、大丈夫かな。



 話が終わり、ぼくの名前を決める事になった。

「さて、君の名前を決めない行けないね」


 扉が開く音が、して桜樹さんが入ってきた。まだ顔色、悪いけど。

「おおう。桜樹、戻ったか。 ……大丈夫か?」


「はい。ちょっと、まだ気分が悪いですけど、問題ありません」


「無理はするなよ。んでだ。こいつの名前を決めにゃいかんのだが、一緒に考えてくれ」


「ええ。11番目なんて、名前じゃないですもんね!()()()だから、可愛い名前がいいんじゃないですか?」


「俺は、そういうのには疎いからな~」


「ああ。大島さんですもんね」


「お前ぇ。一応上司だぞ。俺は」

 

 途中で罵り合いになりながらも、ああでもないこうでもないと、名前を考えてくれていた。


「あの〜」

「ぼく、おとこです」


 場に沈黙が降りた。


「はぁぁぁ!?」「えええええ!?」

「「嘘」だろ!?」でしょ!?」

 

 二人が、目を剥いておどろいていた。


 それは、何故か。


(たぶん、ぼくのみためがおんなのこっぽいからかな)


 幼い顔立ち。ブロンドで腰の辺りまで伸びた髪。

 

 女の子に見える、姿だった。


「リアル男の娘来タ―!!」

 桜樹さんがガッツポ―ズをして叫んでいた。


「うるせぇ!バカタレ!ここまだ、病院だぞ!」

 

 大島さんが大きな声で叱責する。


「いやいやいや。だって、こんなにかわいいんですよ!なのに、男の子なんですよ!もうッ、最ッ高じゃないですか!」


「やかましい!ちったぁ、落ち着け!オメェが、目ぇ血走りながら騒ぐから、こいつ、怖がってんじゃねか!」


「えっ?!ああ~!ごめんね~!怖がらせちゃったね~」


「!?」

顔が引き攣り、後退る。


「あはは〜。大島さん。ヤバイです。やっちゃいました……」


「ったく。悪気はなかったんだ。許してやってくれ」

 申し訳なさそうに手を合わせ、謝ってくる


 ぼくはうなずいて許したことを意思表示した。


「ありがとう。話が大分それたが、好きなものとかないかな?そこから、名前を考えてみようか」


「すきなもの?」


「そそ。なにかない?」


「すきなもの、すきなもの………」


――いいか、11番目。今は、俺たちが守ってやる。だけど、いつ、消されるかはわからねぇ。だから、今は、自分の牙を。刃を磨け。いつか、お前が守りたいものができたときに、守れるように。


―――行けぇぇぇぇっ!お前らぁぁああ!ここは、俺が押さえる!


 灰色の髪の男《1番目》アインスと呼ばれていたお兄さんが、武装した人たちの前に立ちはだかり、逃げるぼくたちを庇う。


 ふと、もう、会うことのできない家族の言葉が浮かんだ。


「やいば」


「ん?」


「あいんすが、きばを。やいばをみがけって」


「刃か~。その字に、あまりいい意味はないんだよな~」


後頭部をガシガシと掻きながら大島さんは、つぶやいた。


「刃、刃。は…は……は?」


 桜樹さんは、ブツブツとき単語をつぶやいて。


「大島さん、一葉(かずは)ってのはどうです?」


「一葉?」


「はい。一振りの、刃。だけど、確かに、刃だとイメ―ジが悪いですから、そこの文字を変えて葉に。まぁ、言葉遊びみたいですけど、良くないですか?」


「桜樹ぃ。お前にしては、いいネ―ミングセンスじゃねか」


「えへへ〜。」


「どうだ?なかなか、いい名前だと思うんだけど」


「うん。」


「じゃあ、決まりだ。後は苗字か……」


「つきしろ」


「「!?」」

「いいのか?」


「そうよ!だってそれは……」


「ぼくがいたばしょ。みんなのこと、わすれたくないから」


 《月城の家》

 一葉がいた場所。逃げ出した場所。


「わかった。これから、君の名前は月城一葉だ。」


 こうしてぼくの名前は月城一葉ということになった

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