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みんなはどこ!?

二話目!

 朝、誰かが起こしに来た。


 体が重い…。


 ここ最近、自分の体じゃない様に軽かった体が、元に戻ったみたいだ。


 眠気を我慢しながら立ち上がり、目を擦りながらドアに向かって行ったはずだが、どうやら、全然違う方ヘ歩いていったらしい。

 起こしに来てくれた人がぶつからないように体をおさえてくれた。 その人に、手を引っ張られていく。



「『起きろ、83号』」

 

 この、誰かの一言で目が一気に覚めた。


 体に衝撃が奔る。 


 目がチカチカして、目の奥が痛い。


 ブラックアウトし、視界が戻った頃には視える景色が一変していた。


 机やイス等の”物”はそのまま。 だけど、人が人では無くなっていた。


 黒い影。 あるいは、黒い糸みたいな物にぐるぐる巻にされていて、人の形にはなっているが、性別はおろか、顔の表情すら分からない。

 後ろから肩を掴まれ、ビクッとするとリンの声が聞こえた。


 だが、目に見えるものは変わらない。 人の形をした異形。


 周りから聞こえる声は、どこかノイズが混じり、高音と低音が混ざった声だ。 唯一解るのはリンだけだった。


 どうして? ベリーお姉さんは? ラナお姉さん、レキお姉さんはどこ? 


 異形の化け物共に見守られながら、ナイフとフォークを持つ。

 周りの化け物共も、ナイフを持っていた。 

 いつ、刺されたり、切られたりするか気が気じゃない。


 食事が終わり、化け物共と洗面所に向かった。 歯を磨くためだ。 化け物共にも、口はあるらしい。 ここで、一つ変化が現れた。 化け物共のうちの1人が、少し、人の姿を取り戻していっているのだ。 わかりやすいのは、声だろうか。 だが、顔だけは相変わらずだった。


 部屋に戻ると、リンは、リンの姿をしていた。 まるで、さっきまで見ていたものは夢まぼろしの様だった。 思わず一葉は、リンに抱きついてしまっていた。


 戸惑うリンには申し訳無いと思いつつも、それでも、自分が何処か違う世界に紛れ込んだんじゃないかと不安と恐怖で一杯だった。 それに、いつまでも頭の中で響く、地獄の始まりの合図がそれをさらに増幅させる。

 目蓋の裏には、つい昨日の事のかのように、名前も知らないお兄さんやお姉さんの泣いて懇願する顔、諦めて悟ったかのような顔、恨みがめしく睨んで来る顔。 そして、その表情をした人たちを殺し、喰らう。 窓に映った自分の顔は、安心しきり、涙を頬へ伝わらせ、うっすらと笑みを浮かべている。 悍ましく吐き気すら催す。


 だから、ドアがノックされ、誰かが入ってきた時には、地獄に叩き落された気分だった。 夢まぼろしだと思っていたものが現実だったのだ。 殺すのは簡単。 だが、どうやら、リンの知っている人(?)らしいから、今、殺すわけにはいかない。

 リンの背に、隠れしがみつく力が強くなる。


 リンは、ため息をついて、苦笑する。


 化け物共と学園に行き、校舎に着くとリンは職員室に向かわないといけない。

 周りには、人の姿を取り戻しつつある化け物と、未だ人の姿を取り戻せていない化け物。 本当に人なのか、怪しい姿をした異形の者達しかいない。


 リンを行かせまいと、せめて、一緒に連れて行って欲しいと意思表示をするように、しがみついた。


 リンが安心させようと頭を撫でてくれるが、不安は解消されない。


 誰かが近づいて来た。

 

 この声は……レキお姉さんに似ている?


 黒い触手を伸ばして来て頭に乗せてきて、ゆっくり撫でてくる。 その手付き(?)は優しく、恐る恐るといった感じだった。

 他の化け物共も近づいて来て、『もう、駄目か』と思っていたけど、どうやら違うみたいだ。

 触手だった物が腕に変わり、体も黒い影から脱却して、見知った学園の制服に身を包んだ格好に変わっていった。 しかし、顔だけは黒く塗りつぶされている。 不気味だが、声も元に戻っているから、どれが誰なのか判別しやすくなった。


 いったい、なにが起こったの? どうして、みんなおかしな風に、なっちゃったの?



 

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