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性能実験

 シャッ。 シャッ。 シャッ。


 スッ…


 刃を上にして状態を見る。 


 あ、あそこまだ、研ぎが甘い。


 シャッ。 シャッ。 シャッ。


 スッ…


 うん。 いい感じ、かな?


 刀を上にした状態で刃の上から小切れのボロ布を広げて落とす。

 すると、ボロ布は重力と自重によってゆっくり落ちていき、刃に触れた所でスゥーっと2つに分かたれた。


「おお〜」


 切れ味凄い!


――――あら? 新しい武器かしら?


 頭に直接声が聴こえてきた。


「みーちゃん? 起きたんだ」


――――ええ。 今しがたね


「どう? 自分で打ってみたんだけど」


――――いいんじゃないかしら。って、それ、わたしの依り代と同じ素材ね


「そうなの?」


――――ええ。 だからね。ひじょ〜に言いにくいんだけど…わたしに言ってくれれば、作れるわよ。それ。


「え…?」


 そ、そんな…


――――ああ! そんな、絶望したような顔をしないでよ!


「だって…だって! こんなにも大変だったのにぃ!」


 苦労が徒労に変わり、悔しくて、涙が浮かぶ。


―――――ああ、もう! いい、聞いて。 ()()()()()()はできるわ。 でも、同じモノは作れない。


「うぅ。グスッ」


―――――その刀は、わたしの下位互換みたいなモノよ。 だから、わたしを使うよりソレを使う方が、今の世界では都合がいいかもしれないわ。


「どういうことぉ?」


 涙声になりながら、《身喰いの魔剣》ことレティシエルの説明を聞く。

 もし、説明通りなら、一葉にとっては非常に有用だ。


 刀が宿した力というものは……




「「「「魔喰らい?」」」」


 戦術訓練のために運動着に着替えている時に、アクセルらに説明をすると、声が重なり聞き返して来た。


「うん。 そうらしい。 だからね、授業後に少し、力を貸して?」


 アクセルが「どうするよ」と周りに目配せをすると頷いた。


「わかった。 後で、あいつ等にも言っておこう」


 あいつ等というのは、別室で着替えているベリー達のことだ。

 


 一日の授業が終わり、一葉の刀の能力を確認するために、グラウンドに出た。

 グラウンドには、他の生徒達もいて、それぞれ、課外活動に身を入れている。

 そのうちの一角を使う許可をリン先生にとって貰い、一葉達はここにいる。


「じゃあ、始めるか。 まずは、危なくない水からだな」


「《ウォーターボール》」


 ラナが魔法を一葉に放つ。

 一葉はその魔法を刀で斬った。 のだが、何だか、斬った所から、刀に吸われてる気がする。


「魔法が吸われてる?」


「みたいですわね。 あ、消えた」


 魔法が完全に刀に吸われた。


「たしか…、魔法を吸収する力だっけ?」


 ガイルが一葉に聞く。


「うん」


「他は? どういう事ができるかわかる?」


「うーん。 わかんない。 ちょっと、試してみるね」


 一葉は、刀に集中する。


 すると、鍔から鋒に掛けて、水で覆われた。


「魔法剣、か?」


 アクセルが呟く。


「水かぁ…。 コレ、刀、錆びない? せっかく頑張って作ったのに、錆びて使い物にならなくなったら嫌だよ」


「魔法で作った水だから大丈夫だろ。 消せるか?」


「ちょっと、待って。 うーん、こう? 違うな…。こう、かな」


 水を止めようといろいろ試していると、鍔のすぐ近くの峰がカシャッと開き、丸みを帯びた何かが飛び出てきた。


 カラン! コロコロ…


「え…? 弾薬? って、こんな機構造ってないんだけど!?」


 飛び出てきたモノは、弾頭が水色でその下は普通の薬莢っぽい?


「うん? なに、このボタン」


 柄のちょうど、親指の置ける位置にボタンが一つ出来ていた。


 さっきまで無かったよね…?


 ソレを押すと、柄尻から、柄より一回り小さい箱状のモノが滑り落ちてきた。


「今度はマガジンか…?」


 アクセルの疲れた声が聞こえる。


「とりあえず、マガジンに詰めて、刀に込めてみたら?」


 ガイルの提案に乗って、落ちてきた弾をマガジンに詰めて、マガジンを柄尻に差し込む。 すると、人差し指のある位置に、鉤爪状の突起物が飛び出る。


「引き金が出た…」


 引き金を引くと、ふたたび、刀が水に覆われた。だが、直ぐに水は消えてしまった。

 水が消えると共に、弾頭のない、薬莢だけが排出された。


「………」


「「「……」」」


「よくわからんな。 他も試すか」


 アクセルの言う通りに次々と魔法を放って貰い、斬って行く。

 わかった事は、いくつかある。

 まず、斬った魔法と同じ属性の魔力を刀に纏うことができること。それと、それには時間制限がある事。 また、時間制限以内に魔法を纏わない様にすると弾薬として飛び出てくる事。 魔法を斬って直ぐに弾薬とすることも可能。ストック出来る弾薬は12発分。 マガジンを柄に挿した後、マガジンに詰めた順番関係なしに、詰めた弾薬の魔力を刀に纏うことができる。

 最後に、マガジンに残ってる弾薬を全て消費して、超高威力の斬撃を放てる事が、わかった。


「これくらいか…? まぁ、有用っちゃ有用だが、最後の以外はそこまで、危険な力じゃないな」


「そうだね。 あ、光魔法斬ったらどうなるんだろう? 刀が光るだけ?」


 ベリーがピカ〜と光る刀を持つ一葉を想像して、笑いを堪えながら聞く。


「え? どうなんだろう…。 光魔法って使える人いる?」


「私が、使えるよ! でも、光魔法って、補助系しかないから、斬れないかも? とりあえず、《ライト》!」


 ベリーが手の上に光の玉を作り出す。 ベリーを斬らない様に気をつけながら、刀を振るう。

 刀に纏わらせるイメージをするが、纏わらせる事は出来なかった。


 ただ…


 刀が、というより、刀身が見えなくなった。


「消え、た?」


 全員が驚いて、顔を刀身があった場所に近づけようとしたから、直ぐに弾薬に変える様にイメージする。


「ふう…。 もう! みんな、危ないよ! 見えなくても、刀はそこに、あるんだから、変に触って斬れたらどうするのの!?」


 そう、見えなくなっただけで、刀身自体はそこに、あったのだ。 おそらく、光の屈折で見えなくなっていただけだろう。

なんとなく、これは操作出来そうな気がした一葉は、みんなのに断って少し、離れていてもらう。 光を操作して一点に光を集中させる。 対象は少し離れた位置にある、大きな岩。


 一葉の想像通りなら、わりと危険だ。


 シッ!


 岩に小さく穴が一箇所空いていて、穴の周りが融解していた。


「ぁ…、お、おぅ…」


 やっぱり、危険だったぁあああ!


 そうだよね! 光だもんね! 一箇所に集めたらそりゃあ、熱量も多くなるよね!? でもさ、さすがに、岩を溶かすなんて思わないじゃん!

 え、ちょっと待って! もしかして、他の属性でも使い方によっては……。ははは、そんなまさか、ね。





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