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第1話 十極天会合?

「む? 余がどうかしもがっ!?」


 馬鹿野郎会話に入ってくんな……!


『あれ? 今のは新しいお仲間ですか?』


「ま、まあな。それより、魔王イヴァロンが復活したっていうのは……」


『そ、そうなのですっ。予知夢天様は、【予知夢】のスキルを使いこなすお方。そのお方が、魔王イヴァロンが復活するという夢を見たのですっ』


 興奮気味に話すシャウナ。今のイヴァロンを見ても何も言わないってことは、多分姿形まで見れてないんだろう。


「……それと、俺が王城に行く理由はなんだ? 特に関係ないように思えるが……」


『はい。そうなんですが……五日後に、十極天会合と言うのが開かれるのです』


「十極天会合?」


『有事の際、世界中に散らばる十極天の皆さんが集まり、有事に対して如何に対応、対策するかを話し合う会議です。現在王都に四人滞在しているので、今回の十極天会合は王都で行われることになりました』


 スキルレベルを極限にまで高めた十人、十極天。


 それが一堂に会する会議か……。


「……それ、俺が行く意味ある? 俺のことは秘密になってるだろ」


『はい。なので、私の従者として参加して頂きます。タナト様も、十極天の皆さんの顔と名前は覚えておいた方がよいかと思いまして……』


 えぇ……ダルいなぁ。別に顔と名前覚えなくても生きていけるでしょ……。


 断る理由を考えてると、エリオラが俺と並んで水晶の中のシャウナに語りかけた。


「シャウナ」


『あっ、エリオラ様!』


「その会合、私も行く」


 …………へ? え、エリオラ、何を……?


「私を差し置いて“天”の異名を持つ十人……見てみたい」


『なるほど……なら、エリオラ様も是非来て下さい! メイド服を用意して待っています!』


「ん、行く」


『では遣いの者を送るので、エミュちゃんのお店でお待ちを!』


 あっ、消えた……もう向こうとは繋がってないみたいだ。


 てか、俺了承してないんだけど……。


「タナト、ごめん」


「……いいよ。気にすんな」


 しょんもりするエリオラの頭を撫でると、気持ちよさそうに目を細めて擦り寄ってきた。


 十極天か……全く興味がないと言えば嘘になる。この世界で、俺以外にスキルレベルを極めた十人……どんな奴らなんだろうな。


「なあタナト。十極天とは何ぞ? 余の敵か? 滅ぼしてもよいのか?」


「滅ぼすな馬鹿野郎。まあ敵には違いないが……大丈夫だ。絶対にお前に危害を加えさせたりはしないよ」


 こっちにはエリオラとイライザっていう最強の味方がいるんだし、大丈夫大丈夫。……多分。


 え? 他力本願? だって俺戦えないし。人には向き不向きがあるのです。


「んじゃ、俺達は迎えを待つとして、ミケとイライザとイヴァロンは白部屋の中で待機しててくれ」


「えー。私もメイド服着たかったのだわ。お兄ちゃんに御奉仕したいのだわー」


「余もだ! 余も冥土服? 着たいのだ!」


「イヴァが着るとちんちくりんにしかならないのだわ、ぷぷ」


「にゃにをぅ!? タナトっ、余も、余も似合うよな! その冥土服!」


 イヴァロンのメイド服姿……。


「……イヴァロン。一つ教えてやろう」


「な、何ぞ?」








「人には向き不向きがあるんだ。適材適所。諦めろ」


「むがーーーーーー!!!!」


   ◆◆◆


 暴れそうなイヴァロンを、イライザとミケの力で無理やり白部屋に押し込めてもらうと、暫くして王家の紋章が刻まれた浮遊馬車が店の前にやって来た。


 そこから出てきたメイド服を着た女性が、恭しく腰を折る。


「タナト様、エリオラ様。お待たせ致しました。どうぞ中へ」


 メイドさんに促されて、エリオラが馬車に飛び乗った。


「じゃ、エミュール。行ってくるな」


「ええ。気を付けてね」


「おう」


 エリオラがいるし、そうそう危険な目には遭わないと思うが……用心に越したことはないだろう。


 階段を登って浮遊馬車に乗り込む。


 おぉ……流石王族の浮遊馬車。俺達の使ってるものより、格段に乗り心地がいいし広い。まるで最高級ホテルの特上クラスみたいな内装だ。


「それでは出発致します。タナト様、エリオラ様。どうぞごゆるりとおくつろぎ下さいませ」


「う、うっす……」


 くつろげって言われてもな……どこでどうくつろげばいいのやら。


 メイドさんは俺らの側にくっ付いてるし……くつろごうにも、人の気配があるとくつろぎづらいんだが……。


「ん。じゃあタナト。あっちの個室で子作りしよ?」


「ぶっ!?」


 い、いきなり何をぶっ込んどんだ己は!?


「? くつろげって言われた。ならくつろいで、子作りエッチする」


「違うから! くつろげってのは、ソファーに座ってのんびりお茶を飲んでねってことだから!」


「いえ。子作りラブラブエッチでも構いませんよ。それ用の部屋もありますので」


「子作りの三段活用はやめろ! とにかく、今はお茶飲んでゆっくりする! はい決まり!」


「むぅ……旦那様が言うなら仕方ない」


 はぁ……何で王城に着く前にこんな疲れなきゃならないんだ……。


 エリオラと並んでソファーに座る。まるでスライムみたいなクッションだ。体を委ねると、どこまでも沈み込みそうなほど柔らかい。


「はふぅ……人をダメにするソファー……」


「だなぁ……」


「……濡れる」


 なんでだよ。


「タナト様、エリオラ様。お飲み物は如何致しましょうか?」


「あー……水で」


「タナトが水なら私も」


「畏まりました」


 メイドさんが部屋の隅で作業をしているのを眺める。


 ……あのメイド服を、エリオラが着るのか……。


 黒を基調にしたロングのワンピースに、フリルのあしらわれた白いエプロン。それと同じような白の頭飾り。




『お帰りなさいませ、ご主人様』




 …………。


「ありだな……」


「メイドエッチのこと?」


「お前の頭にはそれしかないのか」

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