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部屋とお相撲さんと私

 皆さま、明けましておめでとうございます。年末年始はいかがお過ごしでしたでしょうか。

 ワタクシはと申しますと、ロトゼタシアで悪魔の子と追い回されたり、人食い大鷲と一緒に塔から脱出を試みたり、雪の降る中いけにえの旅に出発したり、リーゼ・マクシアとエレンピオスを往復して借金を返済したりと大忙しでした。ちなみに夫のギークくんは、三年前に蒸発した妻からの連絡でホーンテッド・マンションに向かい、そこでゾンビと死闘を繰り広げていました。


 ていうかどんだけゲームやってるんだよ!


 いえ、ここで言い訳をさせていただくと、寒いんです。今年の冬は、本当に。体感温度が氷点下37度とちょっとシャレにならない寒さが続いていまして、引きこもりならぬ冬ごもりをしていました。


 もう一歩も外に出たくない。でも食料が切れたら買い物に行かなければならない。外に出たら紙コップに入ったコーヒーが、そのままの形で凍っている。飛び散りもせず、注がれた時のままの形で。道路も何もかもが一面に白く凍り付き、ハトやスズメさえもいない死の世界。


 こわっ! こんな危険な場所には一秒も長くいてはいけない。凍死してしまう。早くお家に帰らないと! そして家にいても特にやることもないのでゲームをし、そして備蓄が尽き……(以下略)。


 という、どうしようもないお正月でした。特に新年らしいこともしませんでしたが、年明けにはささやかな模様替えをしました。


 模様替えというほどでもないのですが、壁に飾ってあった絵を変えたんです。それまで飾ってあったものは、二人の少女が犬と遊んでいる絵だったのですが、私はその少女たちの目がちょっと怖くて、あまり好きではなかったので、夜中に壁からその絵が落ちたのをきっかけに、変えようという話になりました。


 ちなみに絵が落ちたのは怪奇現象ではありません。落ちた時には、何が起こったのか、と一瞬思いましたけど。額縁が劣化して壊れただけでした。


 新しく何を飾るか、と言う話になり、日本のアダチ版画研究所で買った浮世絵を思い出して、それを飾ろうという話になりました。


 しかし、その浮世絵は、今ある額縁に対してとても小さい。そこでギークくんは、「あれを飾ろう」と言い出しました。あれとは、私の父が送ってくれた相撲の番付表です。ギークくんは漢字がたくさん書いてある番付表を気に入っているようでした。

「まあ、いいんじゃない」という私の一応の同意で、嬉々として番付表を持ってきて額縁に入れるギークくん。


 早速番付表を上下逆に入れようとします。


 ギークくんは漢字が読めないので、どっちが天地かわからなかったようです。

「それ、上下逆だけど?」

と指摘する私に

「どう違うの?」

という切り替えしが。


 だから上下が逆なんだよ!


 そんなこんなで、我が家には相撲の番付表と浮世絵が飾られています。この一件に気をよくした父は、相撲力士のカレンダーを送ってくれるそうです。


 冬に室内で過ごすことが多い北欧では、お洒落な家具に囲まれているというのに、お相撲さん率が高くなっていく我が家。春よ早く来て。切実に。


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