よん
そう、わたしは変わった。
いや、変わることを覚えた。
しかし、うん。
いや、皆様には正直にご報告しよう。
確かにパトリシア様の特訓のおかげで私は綺麗になることを覚えた…おぼえたのだが…。
「活かし方がわかりかねます…」
そう。
幼馴染の女性アレルギーがバカにできない程私は異性にどうしていいかわからなかった。
気絶などはしない。
ただ、逆に同性と異性に違いを見出せない。
姫君の言うトキメキというものを私は知らなかったのである。
異性のひっかけかた?なにそれどういう必要性?と言わんばかりの理解度だった。
結局、藻女の姿が一番落ち着く。
瓶底度なしメガネ。
それから綺麗になったひっつめ髪。
なんとなく小綺麗にはなったのに野暮ったく、変身仕切らない私にパトリシア様は「なんでですの…」とこぼし、私に会う度に私の観察をするのも恒例になってきた。
なんだかすみません。
結局私は私だったのだ。
肌の手入れなどは怠っていないし、眉の手入れもしている。化粧も習ったが、結局瓶底メガネでほとんど顔はわからないのでサボり気味である。
今日も今日とて庭からは乙女達の楽しそうな声が風と共に流れてくる。
うん、私にはやはりこれだな。
殿下の側近という仕事。
私の大事な居場所。
姫君には申し訳ないが、私にはまだ女を楽しむ賢さはないようです。