憧れのファンタジー
主人公がとうとう日本から離れてしまったかも?
異世界に?それとも夢の世界?
まあ、オタクにとってはそんなこと関係ないか。
そんなこんなで次には主人公の名前の登場です。
…はあ、今から考えるのめんどくさいな
この日は先日見た小説家の話を思い出しながら眠りについた。
たしか、あれは王道とも言える勇者が出てくる物語だったと思う。
村から街へ。
草原からダンジョンへ。
戦いに次ぐ戦い。
そんな、手に汗握るファンタジー。
目を開ければ僕は草原の上に立っていた。
周りを見渡しても何もない。
(また、夢かな)
これまでこういうことは何度かあった。
いやにリアルな光景。
見たことはずもないのにどこかノスタルジーを感じさせられる景色。
頬を撫でる生暖かい風に、陽光を浴び明るい緑をもやす草。
そして、自分の思考通りに動くからだ。
(でも、今日はいやにリアルだな)
何かないか見渡していると、いつの間にか周りの風景は一変し、砂漠のど真ん中に立っていた。
やっぱり夢かな
再び状況確認も含めて周りを見渡すと、今度は遠くに廃墟のようなものが見えた。
とりあえず、今までの経験則から、行動しないと夢は以上に長く続くのを知っていたので、とりあえずその廃墟に向かった。
(…あつい)
この時はまだ物語が既に始まっていることには気づいてなかった。
長い長い道を超えて、廃墟にたどり着く。
廃墟、というよりは遺跡と呼んだほうがいいような佇まいだった。
砂で固められた壁に、ガラスも何もない、穴だけが開けられた窓らしきもの。
とりあえず正面に扉があったので中に入ってみることにした。
中は、洞窟だった。
扉を閉め、もう一度周りを見渡す。
(うん、砂漠だ)
再び扉を開けて、中に入る。
(うん、洞窟だ)
ーーーーーーーーーー
洞窟の中は砂漠と比べると、寒いぐらいあった。
足元を浅い川?が流れていた。
某映画スタジオの、動く城の中で出てくる宝石がたくさん埋まっていた洞窟にチョロチョロと水が流れている光景を浮かべてほしい。
それが僕のいる場所だった。
途中で二つに道が分かれていたけど、右利きだから左に行こう、というようわらない理由で左のほうへ進んだ。
(意味なかった)
道が合流していた。
またしばらく道なりに進むことにする。
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『汝、いかなる願いを持ってここに入るか』
洞窟の突き当たり、行き止まりのところには大きな銅像が立っていて、その口が突然動き出した。
その背後には扉らしきものも見えた。
(願いも何も、まえ、夢だしな…)
とりあえずパッと頭に浮かんだ言葉を口にする。
「世界平和のために」
我が名はヨル◯ンガンド。
…関係ないか
ズズズと音を立て、銅像が横にずれる。
扉の全容が明らかになり、一人でにパカリと開いた。
『汝の願い、確かに聞き届けた。
我、汝にこの道を示さん』
あー、はいはい、そういうやつですか。
この先になんか試練とかなんとか言って命をかけるのがあるんでしょ?
まあ、夢だしな
ひとりでに納得し、扉をくぐる。
…今思えばこの時だったんじゃないだろうか。
僕が最後に引きとどまれたチャンスは。
夢だ夢だと思っていたあの頃が悔やまれた。
読んでくださりありがとうございます
ださくゆえわ読みにくくはあると思いますが長いおつきあいをさせてもらえれば嬉しいです