表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
多くの商品はお客様の為にあります  作者: おがわかなた
8/145

多くの商品はお客様の為にあります 第八話

今日は強い雨が降っている。


『あーあ、すごい雨だなぁ~』


俺はレジから外眺めていた。


夜勤はそろそろ終わるのだが、雨は止む気配はない。


『帰り、どうしようか……』


そんな風に考えていると、シュップさんがやってきた。


駐車場からそんなに距離はないはずだ。


それなのに、ずぶぬれである。


入口で服についた水分をぬぐっている。


その後、シュップさんは奥に向かっていった。


「今日はサンドイッチかな?」


予感的中、サンドイッチと珈琲を持ってレジにやってきた。


俺は、それにシュップを加えてスキャンをする。


「今日の雨はひどいですね」


俺がそう言ったからなのか、シュップさんは傘を追加してきた。


コンビニの傘で凌ぎきれるのか分からないが、俺にはそれは関係ない。


購入して頂けるのなら、店としてはそれでいい。


「風邪ひかないようにしてくださいね」


「あぁ、ありがとう」


いつも通り、声が小さい。


「898円です」


シュップさんが財布から1000円札を取り出す。


そして、小銭入れを確認する。


今日は1円玉あるのか?


それとも5円玉と1円玉3枚か。


どちらで攻めてくるんだ、シュップさん。


8円だせるのか、シュップさん。


俺の手が汗でにじんでくる。


心なしか、シュップさんの額にも汗がにじみ出ているように感じる。


シュップさんの手が止まった。


1000円札を俺に差し出す。


やはり駄目だったか。


俺はレジの上に1000円を載せ、お釣りを渡す。


「ありがとうございました~」


シュップさん、残念でした。


今度は、1円玉を多めに用意しておいて下さいね。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ