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多くの商品はお客様の為にあります 第百三十四話
今日は、給料日。
1か月働いた分のお金が入るんだ。
さぁ、今月は頑張ったから、大台に乗るはずだ。
きっと、分厚い給料袋なはずだぞ。
「はい、今月分な」
夜勤の終わりに店長から渡された給与袋。
ずっしりと重いぞ。
こりゃ楽しみだ。
俺は、落とさないように大事に鞄の奥にしまった。
そして、自宅に到着するや否や、部屋に入り、給与袋の中身を確認する。
お札を取り出して、天高く掲げてみよう。
1枚、2枚、3枚……7枚、8枚、9枚……
……9枚……
……9枚……
1枚足りない。
誰だ、1万円を盗った奴は~
何度数えても、10万円はないぞ。
給与明細を見ると
『9万8500円』
大台に乗っていない。
計算間違えたかなぁ~
再度、バイト日数から計算してみるぞ。
やっぱり、10万超えているはずだ。
給与明細を見ると、勤務日数が1日足りない。
初の大台、期待したのに~
俺は、電話して確認してもらったところ、店長の間違いだった。
後日、改めて、1万円程度渡された。
初の大台は、分割払いで、味気ないものになってしまった。
来月こそは、大台に乗せて、後味のいいものにするぞ!!