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多くの商品はお客様の為にあります 第百二十二話
今日は、土曜日。
店長はいないので、バイト同士。
比較的余裕があるはずなのだが、団体客・カップル・家族連れなど
ひっきりなしにやってきた。
それはそれで売り上げ的にはありがたいのだが……
「疲れた~!!」
俺は、休憩に入るなり、椅子に座りもたれかかった。
もう動けんぞ。
後は山本に任せよう。
しかし、山本も疲れているようだ。
顔に疲労が現れている。
夜食のカップ焼きそばにお湯を入れている。
山本も無言で椅子に座った。
店内の放送が聞こえてくる。
『こんな内容だったんだ』
いつもは、あまり気にしていないので、その内容に新鮮さを感じた。
そんな風に思っていると、山本が声を上げた。
「あれっ?」
「どうした、山本」
「お湯が出てこないです」
山本は、かっぷやきそばの蓋を開ける。
そして、中からは、
「あっ」
お湯を詰まらせていたものは……
「かやくとソースを入れたままお湯いれちゃったみたいです……」
俺も時々やるな。
かやくとソースを入れたままお湯入れちゃうやつ。
まぁ、改めてかやくをお湯で戻してソースをかければ、問題なし。
うんっ、何も問題ないぞ……