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多くの商品はお客様の為にあります  作者: おがわかなた
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多くの商品はお客様の為にあります 第一話

コンビニバイトの初日、俺は、少し緊張した面持ちでいた。


真新しい制服?シャツ?、意外と恰好いいんだよな。


第一印象が大事……、背筋を伸ばす。


「今日から働くことになった唐松田君(からまつだ)だ」


唐松田大和(かまつだやまと)と申します。

 よろしくお願いします」


俺は、唐松田大和かまつだやまと、大学生だ。


今日から、このコンビニでの夜勤のバイトを始める。


他の飲食店でアルバイトもしているが、少し飽きてきたので、

コンビニバイトの夜勤を始めたのだ。


掛け持ちだという点も店長に了承を得ている。


「田中と申します、よろしくお願いします」


「私は鈴木です、よろしくお願いします」


2人とも高校生で夕方の勤務を担当している。


田中さんは少し目がつりあがっており、少し怖さを感じるツンデレ系の女性だ。


一方、鈴木君は一言で「巨体」、相撲取りのように恰幅がいい。


そして、もう一人、俺と同じくらいの身長で、細身の男性がいる。


「俺は、山本です。よろしくお願いします」


山本君は、あどけなさが残り、高校三年生、バイト歴は1年だという。


この山本君、店長と俺の3人で夜勤だそうだ。


通常は、二人だそうだが、OJTを兼ねて、3人体制。


まずは、レジ業務。


夜勤のはじめの方はお客が多く、一通り教えられてからレジを担当する。


お客様が持ってきた商品のバーコードを読み取る。


ピッ、ピッという音が心地よい。


「834円になります」


おつりを間違えないように確認をする。


袋詰めも、難なくこなせた。


「ありがとうございました」


このお客様が帰れば、店内には誰もいなくなる。


そして、0時近くにもなると、来客はほとんどない。


山本君が説明してくれる。


「夜勤は接客よりも、掃除や整理、品出しが中心になります。

それを覚えて行って下さい」


そう説明を受け、様々な定例業務を教えてもらった。


一通り説明が終わり、俺は手順を思い出していた。


そんな時、山本君が、声をかけてきた。


「この前ですね、、、」


何だろう?


「昼休みに御飯を食べようと思ってお弁当を開けたら箸が入っていなかったんですよ」


うん、よくある話だ。


その度に、おふくろ箸入ってなかったぁ、って言って、自分で確認しなさい、って怒られるんだよな。


「俺、学食で箸借りて食べたんですけど、、、」


へぇ、融通の利く学食だね。


結構貸してくれなかったりするけど。


「よく考えたら、箸は弁当箱に格納されているタイプだったんですよ」


「何の話ですか?」


俺がキョトンとしているのを見た店長が話に入ってきた。


「でたな、山本のくだらないオチがない話」


「くだらない、って言わないでくださいよ~」


山本君は反論した。


しかし、俺は、店長に同意する。


山本君は、日常の他愛のない話をするのが好きな子なんだと……


「山本、あんまりお前の話で人をこまらせるなよ」


店長が山本君に留意をうながした。


確かに、このような話をされても困ってしまう。


「すみません、唐木田(からきだ)さん」


よく、間違えられるよ。


「山本、この方はからまつだ君だよ」


店長が間違いを指摘した。


「からまつださん、すみませんでした」


山本君の目が少し潤んでくる。


何だか、子犬みたいでかわいいぞ、っていうか仕事中なんだからこんな精神状態になるなよ。


「山本君、大丈夫だから。

 ところで、次は何をするんですか?」


今の所、仕事がないのは分かっていたが、話をそらす為にそう声をかけた。


少し元気になったみたいだ。


何だか、表情がコロコロ変わって、山本君は犬みたいだなぁ。

システム上、種別は変えられないとのことで、現在、Xページで掲載しておりましたものを通常のものに移行しております。4月中旬から下旬には、通常版での更新のみとなります。しばらくは、Xページのものも残しておきます。今後ともよろしくお願いいたします。

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