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芽吹と春夏秋冬  作者: 霜月ぷよ
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第17話 何で兄ちゃんがいるの!?

か・な・り久々の投稿でお待たせしちゃってた方々には申し訳ないです。

とりあえず…どうぞ!

 この前の昼休み。

 横磯先輩は僕に言った。


「私ね、秋人君に言ってやったの」


――「そんなに春風さんのことが好きならさっさと告っちゃえばいいべさ!」――


「……ってね」

「はぁ……。へ……?えーーーーー!?」

「そしたら秋人君、こう言ったの」


――「先輩、また訛ってますけど。……クリスマスも近いんで、そのつもりです」――


 芽吹は、ジワジワと身体が熱くなっていくのを感じながら、どうしていいか分からず、黙り込んでしまった。

 その様子を見て、悔しさよりも優しく応援してあげたいと思う横磯花だった。






〈秋人サイド〉

 あの先輩にあんな風に言って断ったけど、ハルのやつ、知ったらどう思うだろうなぁ……。

 幼馴染みで親友のアイツが、ある日突然美少女になっちまって、でも俺は戸惑うアイツの為にずっと動揺を隠してきた。あの日、病室で初めてあいつをハルだと理解した時には本当に訳が分からなかった。あいつにどう接していいか分からなかった。同性でありながらハルは昔から可愛かった。それが、身体が女の子になったことで、俺は不覚にも異性に対するそれと同じ感情を抱いてしまった。

 あいつ自身はあくまで中身は健全な男子だって言い張ってたけど、俺の男の本能は間違いなくハルの"女子の部分"を感じてた。

 ハルは日に日に言動が女の子らしくなっていくし、俺も段々ハルに対しての想いが強くなっていった。


(告白なんてしたら、きっとどん引きどころじゃ済まないだろうな。絶交になるかも……)


 別にその場しのぎの断りの文句で言った訳じゃない。俺はハルにそろそろ自分の気持ちを伝えたいと思ってる。でも……もしそれで今までのあいつとの関係が崩れちまったらどうなるんだ?俺はあいつを守るって決めたんだよ。筑紫さんにもそうハッキリ誓ったんだ。海水浴のあの時に。だから俺はいつもあいつの側にいなきゃいけない。"春風芽吹"が男でも女でもだ。




 芽吹と駅前で待ち合わせの約束をして、秋人は今その約束の場所に着いた。

 今日と明日はクリスマス。一ヶ月程前から街はクリスマスカラーで飾り立てられて、12月のメインイベントを待ち望む人の熱気が、これから冷え込んでくる街のあちこちを暖めていた。


「まだ来てない……のかな?」

 先に着いたのは秋人だった。2時40分。

 それから程なくして芽吹も待ち合わせ場所に着いた。2時45分。約束の時間よりまだ15分程早い



 ~10分経過~


「秋人まだ来てないのかなぁ?」


「ハル遅いなぁ」


 ~20分経過~


「あぅ……!?」


「ねぇねぇ君、さっきからずっとここに立ってるけど、誰かと待ち合わせ?」

「ちょっとだけ俺らと遊ばね?折角のクリスマスだっつーのに俺ら暇なんだよねぇ~」


「……い、いや……です」


「いや、そんな嫌がんないでよぉ~。別に取って食うとかしないから」

「俺ら奢るって。君何が好き?」


「うぅ~……」


 僕としたことが、また忘れてしまっていた。どういう原理か分からないけど、僕は誰かと一緒に行動していないと7割方こういう人達に絡まれるんだ。僕は今秋人と待ち合わせをしている訳で、断る理由は単純明快はっきり決まっている。なのに僕ってば、こうグイグイ来られるとどうしていいか分からなくなる。べ、別にビビってなんかないからね。

(秋人のやつ、どこにいるんだよぉ~?早く来てよぉ~)



〈秋人サイド〉

 時を同じくして、秋人も芽吹を待って辺りをキョロキョロしていた。


「遅いなぁ。まさかあいつ、場所とか時間勘違いしてんじゃねぇだろうな?或いは俺が早すぎたとか……?いやいや、俺が時間と場所指定したんだから間違いない」


 俺は心配になってハルに電話を掛けてみた。二度ほど呼びかける。まだ出ない。出るのを待ちながら辺りを見回してみる。それらしい姿は見えない。

(少ししてからもう一回掛けてみるか)

 そう思って電話を切ろうとした時だった。駅前の雑踏に紛れて、微かに聞き覚えのある着メロを俺の聴覚が捉えた。

(これ、もしかして戦国無双の着メロ……?近いぞ!?)

 携帯の通話をそのままに、俺は音のする方に意識を向けた。そしてようやく見つけた。


「………………え、なんで!?」



 秋人がいる場所は駅前の、2階にある改札口に上がる階段の前。近く目前には小さな時計塔がある。そして芽吹がいる場所はその階段を挟んだ向こう側だったのである。

 約束した待ち合わせ時間から遅れること約30分。ようやく芽吹を見つけた秋人だったが、「……………え、なんで!?」と、目を剥いて固まってしまった。


「ひっ……!」

「す、スンマッセン~~!」

 顔面蒼白。蛇に睨まれたカエルとは正にこのことだろう。如何にもなナンパ男二人組は巨大アナコンダの前から文字通り跳ぶように逃げて行った。

 さて、そのアナコンダとは――?


「何で兄ちゃんがいるの!?ってか……」

 そこへ芽吹の疑問をさえぎるように、

「ヤッホー芽吹ちゃん。大丈夫だった?」

「くぅ~、芽吹ちゃんのお兄さんマジかっけぇッス!」

 何故かいる夕夏と出島。

「秋人との二人っきりクリスマスデートはまだ早いと兄は思う」

 先の巨大アナコンダオーラから一転。真面目な表情で妹を見下ろす筑紫がいた。

「春風さんには私がついていないと。貴様だけでは不安だ」

 八乙女さんが腕組みをしながら言う。

「悪い秋人。俺は止めたんだが……」

 溜め息混じりに頭を掻く有馬。


「……………はぁ」

 何か諦めと自嘲ぎみの溜め息を漏らした秋人だった。



「……あっ、そう言えば!」


 そこで僕はようやく自分の携帯の着信に気付いた。着信は秋人からだった。

「秋人ぉ~、携帯鳴りっぱなしなんだけど?」

「え、あ……おぅ」

 秋人は間の抜けた返事をしながら通話を切った。





続く…

相変わらず文章力無いですねぇ。……という言葉はとりあえず胸に閉まって戴いて……。

がんばるぞぉ~!

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