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案の定脱獄する

「腐れ果ててしまえ、卑しい罪人め」

 

 ガードは俺をゴミでも見るかのような目で見ながら、素っ裸にされた俺を独房の中に突き入れる。

 俺はガードの方を振り向いて罵倒する。

 

「GMである俺をこんな目に合わせて・・・どうなるか覚えてろよ!」

 

 完全なる小悪党のセリフである。

 

 

 

 今回俺は大人しく捕まったが、実は暴れて逃げるという選択肢もあった。

 しかし、俺が見つかったのは武器屋がある大通りであり、沢山の民衆が見ていたのだ。

 FQ17にはプレイヤーに対する街毎の友好度というものがあり、街の中で戦闘が始まるとそれを発見した人数に依存して街友好度がガクっと下がる。

 街友好度が下がると、その街に所属しているNPCプレイヤー達の友好度・好感度が軒並み下がり、女の子攻略に影響してしまう。

 あの場所でガードに見つかった時点で詰んでいたのである。

 

 では俺はこのまま牢で繋がれていなければならないのか?

 否、FQ17は高い自由度を持つゲームであり、このような状態も想定されているのだ。

 

 

 FQ17では強盗のような悪人プレイも可能、要するにNPCやPCへの殺害や窃盗が可能であった。

 悪人プレイは、気に入らないNPCの殺害や銀行強盗など様々なことを可能とし、気に入らないサブクエストのストーリーを破綻させることもできる。

 

 例えば、クエストを終えたのに報酬も渡さずに

 

「私が町長です」

 

 と、マリオネットのように繰り返すようになったNPCを、怒りのままに殺害することも可能である。

 

 

 さて、牢から逃げる方法についてだ。

 FQ17にはピッキングセットがあり、悪人プレイ者への逮捕時の救済策として牢に入る時に隠し持つことができる。

 だから俺も今ピッキングセットを持って・・・

 

 あれ、無い。

 

 そういえば、FQ17では、投獄されてもパンツまでは奪われなかった。

 くそ、あのガードめ、FQ17時代の仕様とは違って人間の尊厳であるパンツまで奪いやがったな。

 投獄したことまでは仕事だから許そう、誰だってそうする、俺だってそうする。

 だが、パンツだけは許さない。

 

 ううむ、しかしピッキングセットが無いとなると、どうやって脱獄しようか。

 

 

 

 

 

「いやぁ、やっぱシャバの空気はうまいなぁ」 

 

「お、お勤め、ご苦労様です・・・」

 

  ガードが歯軋りをしながら、牢から出る俺を見送る。

 

「おう、お前も頑張れや」

 

 俺はガードの肩を軽く叩き、満面の笑みで言う。

 

 え? GM機能の指定場所ワープで逃げるんじゃ無かったのかって?

 それじゃあ指名手配されたまんまだろう。

 ちゃんと刑期を終えてきましたよ、書類上はな(ゲス顔)

 

 

 今回の手口はこうだ。

 まずGM機能の所持金操作で奪われていた金を取戻す。

 そして独房の刑務官に大白金貨を前金として渡し、俺の独房入居日を改変し、今日を出所日とさせる。

 口止め料としてもう一枚大白金貨を渡して無事出所だ。

 ちなみに刑期は100年だった、無期懲役じゃねーか。

 

 

 

 大分時間を食われたが、無事外に戻ることができた。

 早くジュディアを再度見つけ出さなくては、手遅れになってしまうかもしれない。

 彼女はまだいるだろうか。

 

 先ほどジュディアをみつけた武器屋へ入る。

 だが捕まってから既に2時間が経過していた、彼女はもう立ち去っていた。

 

 

 俺はうなだれながら大通りを歩く。

 前を見ていなかったせいか、人にぶつかる。

 

「あ・・・すまん。」

 

 俺はぶつかった相手の顔も見ずに立ち去ろうとする。

 

「なんや、辛気臭い顔しとんなぁ」

 

 このうさんくさい関西弁、俺はバッと顔を上げ、声の主をみる。

 褐色の肌、けしからん肉体、少しくすんだ金髪。

 ジュディアである。

 俺は運命に感謝しそうになるが、運命を司る三女神の一人がアイレスであったことを思い出し、やめる。

 

「いや、ゴブリンの洞窟に潜ろうと思っているんだが、全然パーティーメンバーが集まらなくてね、後衛職を探しているんだが」

 

 適当な理由をつけてジュディアをパーティーに誘う。

 ジュディアの職業はハンターで、主に弓を使っている。

 彼女は登場当初、フリーの冒険者であり、クエストが始まるまでソロで行動しているのだ。

 そして彼女は姐御肌。

 パーティーメンバーがいなくて困っているとなれば彼女は当然

 

「そうなんかぁ、きみレベルはどれぐらい?職業は?」

 

 フィィィィッシュ!!

 俺は心の中で叫ぶ。 

 

「今は27レベル、職業はナイトだけど。何故そんなことを?」

 

 俺は初登場時のジュディアのレベルが28だったことを思い出し、それに合わせたレベルを告げながら、すっとぼける。

 本当はレベルなんてとっくにカンストしているのだ。

 

「しゃーないなぁ、うちハンターしとるから、おねぇさんが手伝ってあげよう。」 

 

 ジュディアが腰に手を当て答える、胸が揺れる。

 いかん、目線で見ていることがばれてまう。

 俺は首を振り、胸を見たい誘惑を振り払うと満面の笑みを浮かべる。

 

「本当か? すごい助かる、ありがとう」

 

 俺はジュディアの手を取り、ぶんぶんと振る。

 彼女は俺のあまりの食いつきにびっくりし、苦笑いする。

 

「そんなメンバー集め大変だったんか、まあよろしゅうなー」

 

 

 計画通り。

 

 俺はジュディアから顔を背け、本日二度目のゲス顔を浮かべる。

 この世界には、可愛い女の子キャラが沢山いる。

 現実にはいないエルフや獣人だっているのだ、誰か一人に絞ってしまったらもったいない。

 まずはジュディアを攻略する、だが俺の欲望は止まらない。

 

 世界中の女の子を攻略してハーレムを作り、俺は異世界の神になる!


だがこの小説のキーワードにハーレムは無い。

あっ・・・(察し

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