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作者: 王生らてぃ
掲載日:2012/12/04

 こんこん、と雪がふる12月。


 今年最後の授業も終わり、私は学校からひとり、歩きだす。


 周りでは級友たちの浮かれた声が聞こえる。


 今日どこか遊びいこうよー、とか。


 こないだ美味しいお店見つけたんだー、とか。


 当然、私にはそんな話は降りかかってこない。


 今、私に降るのは、白い雪だけだ。



 首元のマフラーを巻き直し、白い息を少し吐く。


 ひとりになるのは、昔から慣れっこだ。


 元々、人付き合いは得意じゃないし、愛想もいい方じゃない。


 おまけに口下手だから、正直、話をするのも億劫だ。


 友達と呼べるのは、たくさんの本だけ。


 文学少女を気取る訳じゃないけど、私は本が大好きだ。



 そんな私には、毎年、冬の楽しみがひとつある。


 それは、私の家の近くにあった。


「よかった……ちゃんとある」


 雪を積み上げて、中を空洞にした、かまくらだ。


 小さい頃から、何故か毎年、この辺りに必ずある。


 私は身を屈めて、かまくらの中に入った。


 ちょうど、私がふたり位は入れそうな広さだ。


 ふぅ、と白い溜息をついて――鞄から、本を取りだした。


 かまくらの中で、ひとりで本を読む。


 私の、至福のひと時だ。



 こんこん、と雪が降っている。


 私は今日も、本を読む。


 きっと、ずっと、そうしている。

「一文字物語」用に書き下ろした短編です。


今回は深い事を考えずに、ただ頭に浮かんだままを書いてみました。

雪に囲まれて本を読む。

なんとも儚げなシチュエーションです。


もしかしたら、読んでくださった方には、なにか伝わるかもしれませんね。


この作品が、ひとりでも多くの人に読まれますように……。

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― 新着の感想 ―
[良い点] なんだか余韻が残るような終わり方で良かったように思えます。 「降る」の掛け方が上手く、ちょっと悲観的な印象を受ける主人公が皮肉交じりで思い付いたことなのでしょうか。すごくそれらしくてよかっ…
[良い点] 雪と少女のコラボですね。 なかなか良いですね。気持ちは良くわかりますよ。 僕も、ほぼ一人ですからね(´・ω・`) [気になる点] やはり文字数の限界で伝わりきらないところがありますね。 こ…
2012/12/05 09:04 退会済み
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