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1-5 ぎっくり腰?

サブタイトルを変えさせて頂きました。第1部は夏維とその周りの人々を紹介していこうと思います。……少し長くなりそうですが。お付き合いくださいませm(__)m

「ごぉぉぉぉぉぉるぁぁぁあああ〜!!!!!待てと言っとろーがっ!!」


学校中に響きわたるバカでかい岩波先生の怒鳴り声。


「そんな恐ろしい形相で迫られて誰が待てるっていうんですか……!?」


そう言いながら逃げるように走っているのは夏維君。

この“鬼ごっこ”はもうかれこれ10分以上続いている。

はぁはぁ。とすでに息が上がっている先生。

と、まだまだ余裕の笑みで走っている夏維。

その2人のやりとりは、昼休みを持て余している生徒たちにとっていい見物。


「夏維君頑張ってぇ〜!!」


という女子の黄色い声や、無理だとは思うけど楽しいからという理由でかかる


「岩波先生頑張って捕まえろよー。」


などの心優しい(?)生徒たちの言葉。

そればかりではない。


「おぅ先生、まだまだ若いもんにゃ負けられんわのぉ。」


なんて、先生までが鬼ごっこの見物人。

さて、そうこうしている間に現在の2人は……と。

ちょうど階段に差し掛かり、2階から踊り場へ下りようとしているとこ。

前を行く夏維君はひょいっと軽く、飛び下りるように下りていく。

反して先生は……


“ドタっ”


夏維はすぐ後ろから聞こえた鈍い音に気付き振り返る。

そこにはうつ伏せになった先生の姿が。

思わず吹き出しそうになったが、そこは我慢して、ゆっくり先生の方に近付く。


「…大丈夫……ですか?」


先生からの返事はない。

ただ小さなうめき声が聞こえるだけ。

周りで騒いでいた見物人も、この意外な展開に心配そうな表情を浮かべる。

夏維がさらに近付いた次の瞬間。


「あ。」


暫し唖然とする夏維君と見物人のみな様。

それもそのはず。

夏維の足首はしっかりと先生の両手が。


「捕まえた。」


そして先生はニヤっと笑う。


「はぁ。先生…よくこんな卑怯な手を生徒に使えますね。」


呆れたように言いながら、その手を振り払おうとするが強情にもソレは離れない。

夏維はさらに力を込める。

すると。

わずかにソレの力が弱まる。

やっとその手から逃れた夏維は平然と言った。


「……何しているんですか?岩波先生。早く起きてくださいよ。」

「…………」


先生からの返事はなかった。

不思議そうにもう1度聞く。


「……先…生?」


「…ぎ……ぎっくり腰が…。」


………は?

ぎっくり…腰?

とんでもないバカですか?

この先生は…。


この後岩波先生が笑いものになったということは言う間でもないでしょ。

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