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1-4 放課後2

そんな2人のところに、タイミングよく現れちゃったのは、普通の人とかなりズレちゃってる麻央ちゃん。

でも、さすがの麻央ちゃんもちょっとはこの空気を感じとったよう。


「あらぁ、変な時にぃ来ちゃったぁみたい〜?」


とは言いつつも、ま、いっかぁ。とルンルンとした足取りで教室に入ってくる。

そしてにっこり。微笑んで言った。


「いつもぉ、一緒にぃいるね〜。仲良しさんだぁ。まるでぇ……」


「違う!!」


夏維と優姫は慌てて否定の言葉で麻央の言葉を遮る。

しかも同時に。

照れ隠しでないということは、2人の赤くすらなってない真剣な顔を見ればわかる。

麻央はその2人を見て、クスクス笑いながら言った。


「そんなにぃ、慌ててぁ否定しなくてもぉ、ちゃんとぉ、わかってるからぁ。2人はぁいとこなんだぁってことぉ。」


……本当にわかっているのか?このお嬢さんは。

明らかに不信そうな眼差しを送る夏維と優姫。

そんな目を向けられてなお、さっきと変わらぬ笑顔で麻央は言う。


「え〜やだなぁ。あたしってぇそんな信用ないのぉ?」


うん。って普通に頷きたい気持ちを2人は抑える。

ってゆか、信用がないというよりは、ちょっと怖い存在?

だから迂濶に話せない。みたいな。

……その理由は…というと。

こーんな可愛くって天然でボケ的なイメージのこのお嬢さん。

そのイメージからは到底想像できないけど、実は学年1の天才少女だったり。

なんか裏がありそうだもんね。

このお方の情報網だって並じゃないし。

どっから仕入れてるのか知らないけど。


……私は知らない。

このお方がどこまではしり続けるのか。

はたまたどんな裏をもっているのか。

なにも知らない。


だけどね、普通に麻央ちゃん見てると……信用してもいいのかなーって思っちゃうよ。

見掛け、本当に何も考えてなさそうだから。

単に真実を述べているだけとも思えるんだ。

こーやってみんな騙されるんだね。(……って…違う?)


「あっ!!」


珍しく麻央がはっと何かを思い出したような声をあげた。


「…何?」


いきなりの声にビックリしつつも、夏維は聞く。


「あたしねぇ、慧君をぉ探してたのぉ。どこにもぉいなくてぇ……。夏維君はぁ知ってるぅ?」


「剣道場。」


即答。だけどこれが普通の人の答え。

今は放課後。大抵の生徒は部活動に励む時間。

そう考えると、剣道部所属の慧が剣道場にいるということはごく自然に予想できること。

慧のことをほとんど知らない人ならともかく、彼女だというのに…な麻央ちゃんは。ポン。と手をうち、そっかぁ。と慌ただしく出ていった。

本当に……あのお嬢さんは…。


「…なんで相模君は朝比奈さんと付き合っているんだろう……。大変そうだけど…。」


誰もが思うだろう。

一人言のように呟いた優姫の言葉に、夏維は苦笑しながら言った。


「あの…なにをしでかすかわからないトコがいいんだと。……あと、勉強を教えてもらえるからって。」


へぇ〜。とイマイチ微妙な返事をするものの、その後の会話はつなげようがない。

帰るか。という夏維の言葉に頷き2人は教室を後にした。

その2人の姿はまるで普通のカップル。

それは誰がどう見ても疑わないと思う。

だが、私はここできっぱりと示しておこう。

現設定上、優姫はあくまでいとこであり、夏維と最も親しい存在ではあるが、この2人が恋人同士となる可能性は0%に等しいということを……。

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