53 にんじ誕生
毎度「増えろ!」と念じて見ているpv履歴ですが、とうとうユニークアクセス数の部分が1000突破してました。嬉しい! 感謝!
自分の投稿の中で一番読まれている二リハの時は完結するまであまり読まれなかったので、やっとこういう報告が書けます。(今二リハのユニークアクセス数は5000超だけど、もう完結済だからなあ)
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「確かにタクシー的な事ができる野菜を召喚すれば、日暮れ前にお店に間に合うかもしれない。でも、だからといってそれで召喚するっていうのはためらうんだけど」
「大丈夫! タクシーならこれからも活躍する! むしろ明日からの店への通勤も便利になる! 今が召喚しどきだ!」
「うーん」
そう言われると、確かにタクシー使えたら良いかもしれない。お店はここからだとかなり遠いし。でも、そもそも今召喚できるのか?
スキル発動準備。生み出したい植物を決めてください。
あ、できちゃうんだ。
「マスター!」
「ももっぴ」
「マスター」
「ニオンも」
「せっかく私のお店ができたんなら、早く見てみたいわ!」
「もうお店にはぶどまるやジンジャが待っているのでしょう。では、可能ならば今日行くべきです。直ちに!」
確かに、皆の言う通りだ。
そうだな。出し惜しみするようなものでもないし、召喚しちゃうか!
「わかった。それじゃあ早速召喚だ。スキル、アメージング農家発動。にんじんのドライバーを召喚!」
ぺかーん。
「にんじんっ」
俺の願いは叶えられ、目の前に動く人参が現れた。
「あなたが、俺のマスターか?」
「ああ。はじめまして。俺は阿梅陣具。そしてお前の名前はにんじ。今日から俺達の仲間だ」
そう挨拶すると、にんじは皆を見回してうなずく。
「俺はドライバーのにんじ。俺の車でどんな所にでも送ってやるぜ!」
「じゃあ早速頼む。俺達を日が沈む前にジンジャ達が待ってるお店につれていってくれ!」
「任された!」
というわけで、早速家の前でにんじの力を見せてもらう。
「スキル、ナビゲーション!」
特に何も起こらなかった。
「よし。目的地はわかったぜ。それじゃあ後は、スキル、車召喚!」
そして次ににんじがスキルを使うと、にんじの後ろにリヤカーが召喚された。
「さあ皆。この車に乗れ!」
「ちょっと待ってにんじ! それじゃあきっと日暮れ前に間に合わない!」
「でもこの車が今の俺の精一杯だ!」
しまったー皆のレベル1の時の実力具合を忘れてたー!
「終わった」
「いやまだだぜマスター」
「ワン!」
そう言って前に出たのはいっちーとベリストロ。
「ベリストロ。お前がこのリヤカーを引っ張ればきっと時速百キロくらい出る!」
「ワン!」
「いやそれはどうだろう」
「というわけで、マスター、にんじ。やっていいな?」
「まあ、できればだけど」
正直、にんじが引くよりは速い気がする。
「俺もそれでかまわん! 早速ロープを出して車とベリストロをつなげよう!」
「ワン!」
「そうと決まれば早速出発だ! 皆、のりこめー!」
「おー!」
「私もこれに乗るんですねえ」
「フレリアは嫌?」
正直、俺も微妙な気持ちだけど。
「いいえー。乗っている間はジングにくっついているので大丈夫ですよ?」
「あ、うん」
どうしよう。生きていて良かった。
正直、これだけでにんじを召喚したかいがあったな。
「ではしゅっぱーつ!」
「ワン!」
こうして、俺達をぎゅう詰めにしたリヤカーが発進した。にんじだけはベリストロに乗って行き先を指示している。
「全速力だ、ベリストロ!」
「うわ、結構はっや!」
俺の予想以上のスピードを出すリヤカー。あれ、これかなり速い?
慌ててリヤカーの隅をつかむ。
「皆、しっかりつかまってて。あとフレリアも!」
「はい!」
ぎゅっ。
あっ。生きてて良かった。
「ワンワンワンワンー!」
「もっととばせるか、このまま更に加速してくれー!」
ガタガタ揺れるリヤカーは、はっきりいって凄く怖い。後ろには壁が無いし。
でも、この速さならなんとかお店まで間に合いそうだ!
「ワンー!」
そして、本当に日が沈む前に、俺達のお店、スーパーアメイが見えた。
ジンジャが言っていた通り、お店の壁はきれいに白く塗られ、看板もあるっぽい。やっぱりバッチリ完成していた。
「お、やっと来たな!」
「おいおい、なんだあれは」
「ベリストロだよ。先日歓迎会で見ただろ?」
「いやあの時はあんなに大きくなかっただろ」
ジンジャとぶどまるとガーンさんがこちらを見ている!
間に合って良かった!
そう思った直後。
「よし。ベリストロ、ここがゴールだ。止まれー!」
「ワン!」
なぜかベリストロが急停止して、リヤカーは弧を描き半回転。俺達の向きが百八十度変わったところで、乗っている全員がポーンと吹っ飛んだ。
「あ」
「マスターあぶなーい!」
空中にいる間何もできない俺に、皆が手を伸ばす。
でも皆、俺よりも上にいるんですけど?
このままじゃ俺、皆におし潰されて地面とサンドイッチに。
ズザザザー!!!
「ジングー、大丈夫ですか?」
リヤカーから放り出された瞬間、フレリアはパッと俺から離れてスタッと一人で着地していた。
そして地獄のような痛みを地面と皆からプレゼントされた俺はというと。
「いたいのいたいのとんでけー」
原因の一人、ももっぴに回復魔法をかけてもらっていた。
「全然大丈夫じゃなかったけど、凄い。本当に痛みが引いていく」
「これで大丈夫よ!」
「ありがとうももっぴ。でも今度からは絶対に上から降ってこないでね」
「てへ☆」
「おいマスター。治療が終わったのならさっさと写真撮るぞ!」
「折角暗くなる前に集まれたんだ。カメラの準備も出来てますよー!」
「あー今行く!」
本当にもう日が暮れそうだ。急がなきゃ!
「俺も写真に入っていいのか?」
「ガーンさんも手伝ってくれたので一緒に写ってください」
「へー。これがカメラ。不思議な道具ですねー」
「よし。タイマーオン! 俺も入って」
俺が店の前で並んだ瞬間、ウイ吉がさっとカメラを操作してこっちに来る。
こうして、俺、いっちー、ぶどまる、ももっぴ、ジャガット、マトット、ニオン、ジンジャ、ウイ吉、にんじ、フレリア、
ベリストロ、ガーンさんが並ぶ。
「みんな。はい、キウイ!」
カシャッ。
急いだり痛かったりすぐ回復したり、一日に二回も野菜仲間を召喚したり、いろいろ大変だったけど。写真も無事撮れたし。
まあ、こういう日があってもいいか。




