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52 ウイ吉誕生

 でも確かにカメラマンはいた方が良い。いや、絶対じゃないけど。

 こういう大切な日の思い出を残しておくのは大切だと思う。それに、こういう日は他にももっとあるだろう。

 じゃあ、後でまた考え直さない内に召喚してしまおうか!


「わかった。それじゃあジンジャ、新しい仲間を召喚するにあたってお願いがあるんだけど」

「うん」

「今のところお前も新しい子も家無し状態だから、お店に住むしかないけど、仲良くできる?」

「うん!」

「よし。それじゃあ、スキル、アメージング農家! いでよ、キウイのウイ吉!」


 ぺかーん。


 いつも通り俺から光が発せられて、その光がキウイ生物へと変化した。今日も召喚成功だ。


「キウイっ」

「はじめまして。俺は阿梅陣具。俺が君を呼んだんだ。今日からよろしく、ウイ吉」

「そうか。マスター、俺はカメラマン。どんな思い出もベストショットで決めてやるぜ!」


 キウイのウイ吉はそう言って、突然カメラを手元に生み出すと俺を撮った。


「はいキウイ!」


 パシャっ。


「あ、それ取る時のかけ声なんだ」

「俺も俺もー!」

「次は俺を撮るんだ!」


 ウイ吉はいきなり人気者になった。



「スキル、現像!」

「おお、すぐに絵ができた。これは魔法か」

「おっさん、これは科学だぜ!」

「いや魔法だよウイ吉のは」

「おっさん呼ばわりするな! 俺は大工のガーンってんだ!」

「俺はウイ吉! 写真を撮りたい時は俺を呼びな!」

「それでウイ吉。実はこのお店がもう少しで完成するから、夕方にはこのお店の前で記念撮影したいんだ。頼める?」

「オーケー! 大事な思い出の1ページ、しっかりアルバムに刻んでやるぜ!」

「じゃあウイ吉は一緒に行こうか。とりあえず家に帰ってみんなを呼ぼう」

「うん!」

「じゃあ俺は祝い酒でも持ってくるかな。ジンジャ、後はもう人手はいらねえんだろ?」

「ああ! 仕上げは任せとけ!」

「そんじゃあ暗くなる前に行ってくるぜ」

「俺は早速地下の部分にとりかかるかな。もう魔力ほとんど残ってないけど」

「じゃあジンジャ、頑張ってねー」

「おう!」


 というわけで、俺、ウイ吉、ガーンさんは一旦お店を後にした。



 帰り道の途中。

「こんにちはー」

「こんにちはあ。あら、今度はまた新しい子?」

「はいキウイ!」


 パシャっ。


「麗しきお嬢さん。俺はこの度マスターに召喚されたフレッシュなカメラマン、ウイ吉です。お近づきの印に、こちらをどうぞお受け取りください。現像!」

「あらなに? まあ、私が写ってる。すごいわねえ!」

「プロですから」


 まだ生まれたばかりなんだと思うんだけどなあ。

 と、そんなことが何度もありながら、帰宅する。



「ねえ、ウイ吉」

「何マスター」

「ウイ吉達って、俺に召喚される前はどこかで暮らしてたの?」

「ううん。そんなメモリー無いよ」

「じゃあなんでいろいろ知ってるのさ。言葉ももちろん、職業だってしっかりこなせるし」

「マスターは英霊って知ってる?」

「定番のお話の題材でしょ?」

「そいつらは召喚した場所や文明等の事前知識、一般知識を召喚時に叩き込まれるんだよ。そんな感じ」

「納得できないけど、これ以上聞いても仕方なさそうだってことはわかった」

「特に俺達はマスターの知識を元に知力ボーナスを得てるから、マスターの好きなタイプだって知ってるよ」

「え、なにそれ。完全に筒抜け?」

「ボインなねーちゃんが好きなんだろ?」

「否定したいし範囲広すぎだけど、合ってる。フレリアには言わないでね」

「フレリアって誰?」

「今住んでるところの家主で、俺の彼女」

「マスター絶対彼女に勝てないだろ」

「うん。まあそうだけど。どうやったら勝てるようになると思う?」

「人生諦めも肝心じゃね?」



「ただいまー」

「おかえりマスター!」

「ワン!」


 そう言っていっちーとベリストロが出迎えてくれたんだけど。


「ねえいっちー。ベリストロでかくなりすぎじゃね?」


 なんかその大きな顔が俺の顔くらいの高さにあるんだけど。

 ていうかじゃあ、身長ほぼ俺と一緒? 相手は四つん這いなのに? ていうか生まれてから何日経ったっけ?


「寝る子は育つ!」

「ワン!」

「いやそれ答えになってない」

「マスター、ケツの穴が小さいぞ! じゃあベリストロに縮めっていうのか?」

「くうーん?」

「いや、まあ、うん。ごめん。よしよし、大きくなったなあベリストロ」

「ワン!」


 ベリストロをなでてやると、大きなベロで舐められた。正直食われるかと思った。

 だ、大丈夫だよね?



 その他の野菜達も家にいたので、彼らへのウイ吉の紹介と、お店への召集令はすぐに済んだ。後はももっぴとフレリアだけだな。


「じゃあ今日の晩御飯はお店の前でバーベキューにしましょう!」

「おお、良いね!」


 というわけで、マトットと買い物しながら二人の帰りを待って、夕方。

 やっとフレリアが帰ってきた。



「ただいまですー」

「フレリアおかえり!」

「おかえりなさい!」

「あらー? もしかしてえ、また新しい果物さんですかー?」

「カメラマンのウイ吉です! ひとまずっはいキウイ!」


 パシャっ。


「現像! お近づきの印にどうぞ」

「まあ、ありがとうございますー。あっ、これ私ですね。ちょっと顔が疲れてる…」

「す、すぐ元気になるよ! それでフレリア。実は今から皆で行きたいところがあって」

「はいー? どこですかー?」

「リフォームしたお店。そこでウイ吉に記念撮影してもらおうと思って。あ、この写真っていうのを、お店の前で撮りたいんだ」

「写真くらい知ってますよー?」

「あ、はい」

「でも写真ならあ、明日でもいいんじゃないですかー? もうこれから暗くなりますし」

「そうだよねえ」


 本当なら今頃はもうお店の前にいたかったけど。でもももっぴだって帰ってきたのついさっきだし。

「ウイ吉。やっぱり記念撮影は明日にした方が良いんじゃない?」

「たしかに時間的にはもう厳しいな」

「だよね。ジンジャやガーンさんには悪いけど」

「でもマスターなら不可能を可能にできるぜ」

「それ一度言ってみたかっただけでしょ」

「マスターの力で俺を呼んだみたいに、今度は送迎ドライバーを召喚すればいいのさ!」


 またこのパターンかあー。

 ガーンは写真を知らないようなセリフをしていますが、知っていてもおかしくない設定です。というか、ド田舎生まれド田舎育ちなので馴染みが無いです。人生で一回見たか見ないかくらい。フレリアは現人生の半分以上王都よりの町で過ごしたので、光魔法カメラを知っています。

 写真有りの新聞はたまに村に届きますが、皆他の町で何があっても関心が無いので、村長宅で読まれてたまに話のネタになる程度です。おふれとかもありますし。

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