49 ガーン、リフォームが気になる
俺もリフォームを手伝えたらいいんだけど、正直未経験かつ力仕事もできない俺がいてもあまり意味はないだろう。
ここは家に帰って自分ができることをする。このお店のミニチュアは、家に置いておこう。いや、やっぱりジンジャに返した方がいいか? でも置くとこも無いし、適当に置いておいて土埃がかぶるのももったいない。あ、そうだ。
この完成図、ガーンさんに見せた方が良いか?
一応リフォームした後もガーンさんのものではあるんだし、伝えておいた方が良いかもしれない。よし、そうしよう。
で、ガーンさんはどこにいるんだ?
「ガーンの家? 今あなたが来た道を戻って、鳥小屋のところの分かれ道を右に曲がった先だよ。木材を置いてある家があるから、見ればわかるよ」
「ありがとうございます」
「村は小さいから、皆顔見知りだよ。ここまで戻ってこなくたって、どこかの家を訪ねれば教えてくれるよ。あなたももうこの村のいち員なんだからね」
「わかりました。次からはそうします」
「それと、こないだのお肉すごく美味しかったよ。また食べたいねえ」
「ああ、それならもうすぐお店を開くので、その後お買い求めください」
道具屋で小物を買いつつ道を教えてもらい、今度こそガーンさんの元へ行く。小銭を持ち歩いてて良かった。
でも道を訪ねるのに人の家に入るのはちょっと。いや、ここでの常識はそうなのか?
とにかく、教わった通りにガーンさんの家に行く。
「ごめんくださーい」
ひとまず家の前で声をかけると、少ししてガーンさんが出てきた。
「おお、ジングか。どうした?」
「実はジンジャ、いえ、俺の新しい仲間のお店リフォームが始まりまして。改めて声をかけておきたいと思って」
「もう始めるのか。じゃあ、俺も少し様子を見に行くかな」
「それで、これがお店の完成図になるんですが」
「こ、こいつは!」
そろっとミニチュアを差し出すと、ガーンさんは興味津々といった様子でまじまじと見た。
「随分変わった店だな。というか、縦に長い。持ってみていいか?」
「どうぞ」
「下の部分は空洞だが」
「そこは地下空間の予定です。ジンジャはまだ3階以上は無理だって」
「これ以上高くできるのか!」
「いや、まだわからないですけど」
「本当に大丈夫なのか? こんなに細いと脆すぎてすぐ壊れるんじゃねえのか?」
「たぶん大丈夫だと思います。俺が元いた世界では、こういう建物はよくありましたよ。あー、漫画とかで」
「マンガ?」
「えっと、一昔前にあったんですよ。今はお店の大型化が進んでて、こういうお店はめったに無いんですけど」
「これで、一昔前」
ガーンさんはしばらくの間固まった後、言った。
「俺も行く」
「あ、はい」
「もっとこいつのことを教えてもらわねえと」
「あ、はい」
「いや、ちょっと待て」
「はい?」
「これだと材木が結構いるな。持って行く」
「え、あ、じゃあ材木代は」
「いい。話を聞く代金だと思ってくれ。あと、俺もリフォームを手伝う。それですぐに終わらせよう」
「いいんですか!」
なんだろう。このミニチュアを見て職人魂に火がついたんだろうか?
「あ、すみません。ところでこのミニチュア、一つ修正箇所があるんです」
「何? このどこに変更点があるんだ?」
「ここ一番上を屋上にします」
「屋上ってなんだ?」
「えーっと、屋根の上を庭にするんです」
「そんなことして大丈夫なのか?」
「ジンジャが大丈夫って言ってました」
「すげえやつだな。こりゃますますこの目で見なけりゃなんねえぜ。建造から完成までじっくりとな」
年末忙しくなるので、明日投稿したらまた週一投稿になります。




