33 牛再び
少し修正しました。
「ところで、この桃といちごはもらっていいかの?」
「あ、はい。いちごはともかく、その桃はそちらのバウンヴァッフが出したものですし」
「アン!」
「アン!」
見るとベリストロとバウンヴァッフはもう仲良くなっているようだった。
「おお、ラッキー。そうじゃ。もうお主への分の蘇生費用請求は終わったから、これからは改めて毎日桃やいちごを買いたいんじゃが、これまで通りもらえないかの?」
「ええ、いいですよ。まだ使い道ありませんし」
「うむ。では価格なんじゃが、いくらくらいになる?」
「えっと」
そういえば考えたことなかったな。
「そうですね。桃は2つ、いちごは5つでパン一個分くらいでしょうか?」
「というと、パンの大きさは大、小? あと黒パンと白パンも値段違うんじゃが」
「あ、じゃあですねえ。参考までに聞くけど、いっちーは自分のいちごいくらくらいで売りたい?」
「めっちゃ高め!」
「やっぱ自分で決めるしかないか」
「ところで、こっちの二人のフルーツはもらえないのかの?」
「悪いな。ジャガイモはガチの野菜なんだ」
「玉ねぎもフルーツではありません。多少は甘いですが」
「なんじゃ、残念」
考えた上にナジン大神父とも相談した結果、1人分のフルーツ盛り合わせを、一回10ウレで販売することにした。
ちょっと安いかもしれないけど、毎日食べてくれるし、今のところ買い手もナジン大神父しかいないのでこれくらいでいいだろう。
それにももっぴも、お世話になってることだしな。
「ちょっと安い気がするが、こちらとしては大助かりじゃ。しかしこうなると、次の村へ行くのがますます気が引けるのお」
「あ、ナジン大神父は、各地を旅してるんでしたっけ」
「うむ。じゃがフルーツのために旅をやめるのも気が引けるしのう。もう次の村を訪問する予定もできてるし」
「それじゃあ仕方ないですね。あ、それだとももっぴの修行は」
「あやつはもう一人でも修行を続けられるじゃろう。区切りである蘇生魔法の習得も、もう少しなんじゃないかのう?」
「え、もうそんなに成長してるんですか?」
「うむ。じゃがももっぴの修行をおろそかにするわけにもいかん。ひとまずももっぴが蘇生魔法を覚えるまで、ワシはこの村にいるとしよう」
「それは、ありがとうございます。でも、旅の予定は優先してもらってもいいですよ」
「なに、そこもなんとかなる。お、そうじゃ。ももっぴが蘇生魔法を覚えたら、ワシの弟子から昇進して、ワシの助手にしてやろう」
「え、いいんですか?」
「うむ。いいんじゃ。蘇生魔法なんて使える神父も少ないしの。ここの神父とも話をつけて、この村の教会のナンバー2の座を用意してやろう。給料も増えるぞ」
「おお、ありがとうございます!」
「これでワシがいなくなった後も安心じゃの。そうそう、桃が教会にいるからって他の神父やらがいちゃもんつけに来るかもしれんが、つっぱねてよいぞ。ワシの助手なんじゃから、それなりに偉いに決まってるし」
「わ、わかりました。ももっぴにはそう伝えておきます。弟子を卒業したらですが」
「そうじゃな。まだ油断は禁物か。それじゃあワシはそろそろももっぴの様子を見に戻るかの」
「あ、はい。お邪魔しました」
「あ、そうじゃ。明日のお前さんの歓迎会、ワシも行くから。いやあ、今からお酒が楽しみじゃのう」
こうして俺達は、教会を後にした。
一度家に戻った俺は、今度はマトットと二人で買い物に行くことにした。
今までこの世界の料理を作っていろいろメニューを考えていたマトットだったが、明日は俺の歓迎会をやるので、そこでマトットの料理の腕前を披露するために食材を調達して、村の皆に知ってもらおうと思ったのだ。
その場でマトットの料理が絶賛されれば、後日レストランを開いた時大盛況になるかもしれない。そんな期待も加味されている。
「いろいろ考えたんだけど、シンプルに焼肉をやろうと思うの」
「良い考えだけど、それだとマトットの料理の腕を披露しづらくない?」
「料理を決めるのは腕だけじゃないわ。味よ!」
「お、おう」
でもそれ料理人が言っていい言葉なの?
「というわけで、明日はありったけ焼肉のたれを生み出すわ」
「おお、俺中辛が良い!」
「わかったわ。この世界には調味料が塩砂糖スパイスくらいしかない。ここで焼肉のたれ味を知った皆はスーパーショックを受けるでしょうね」
「その考えは大成功すると思う。俺も久しぶりに焼肉食べたいし。よし、そうしよう!」
「というわけで、手始めに牛肉を見てくるわ!」
「おー! えっ」
その後。
「キラー!」
「モー!」
赤いトマトと暴れ牛が衝突すると、激しいトマト汁を噴き散らしながらマトットが倒れた。
だが牛も無事ではない。マトットの包丁により、こちらも致命傷を負い、倒れる。
ドサッ。
「マトットー!」
ひとまずマトットは俺のスキルの力で復活!
ぺかーん。
「よし。命拾いしたわ!」
「いや、マトットの命はさっき完全に終わってたよ。話の流れのままにこんなことになったけど、次からは気をつけようね。俺も気をつけるから」
「はい!」
「いやー、すごいなあんちゃん。それが噂のスペシャルスキルの力かー」
「はい。オローズさん。しかしまさかまた牛を相手にすることになるとは」
今回は危なくなくて良かった。かなり怖かったけど。
こうして俺達は牛屋さんと交渉した結果、牛と戦わせてもらう流れになり、牛肉を手に入れたのだった。
マトットが大丈夫って言ってたからつい任せちゃったけど、なんとかなって良かった。いや、マトットは潰れちゃったけど。
やっぱり野菜達は結構無茶してるよな。俺がもっと慎重にならないと。
「ああ、お代はいいよ。お前さん達の歓迎会のために使うんだもんな。それより、明日はそれで美味いもん頼むぞ」
「ありがとうございます。オローズさん」
この倒した牛は、ももっぴに状態保存の魔法をかけてもらって、明日さばこう。




