10 いっちーレベルアップ
「レベルアーップ!」
いっちーが叫んだ。
「いっちー、本当か!」
「ああ! これで今日はあと2発ロケラン出せるぜ!」
「おめでとう、いっちー!」
まさかフレリアが撃ってもレベルアップするとは!
ロケラン増えるのは、あんま嬉しくないけど!
それはそうと、フレリアはファングドッグだったものに近づいた。俺達も続く。
「うわあ、めっちゃちぎれ飛んでますう。これは素材が取れませんね」
「あと、さっき見た通り広範囲に爆発するから、近い距離で撃つなよ」
「そこも注意しないとですねえー」
「どう、フレリア。売れそう?」
「んー。威力を調節はできないんですよねー?」
「もち!」
いっちーが親指を見せた。
「それじゃあ使い勝手は悪いですねえ。ロケラン自体も大きいですし」
「そっかあー」
ダメかあー。
「けれどお、この威力なら4ランクは当然、5ランクモンスターにも通用しそうですう。まあ5ランクモンスターなんて戦ったことないですけど」
「そ、それなら、高く売れそう?」
「できるだけ交渉してみますう」
「やったー! ありがとうフレリア!」
「目一杯高く売れよな!」
「上手くいったらあ、今日の晩ごはん豪華にしましょうねー」
これが上手くいけば、ひとまずは俺の生活は安泰!
お願いだ、フレリア。上手くやってくれ!
「それじゃあ頼むぜ、フレリア。ほら、これが今日の分のロケランだ!」
いっちーがそう言ってロケランの弾頭を2つ渡した。
本当に2つに増えてる。
「あ、この部分だけでもいいんですねえー」
「発射装置があればな。こいつが爆発するから、慎重に扱ってくれよ!」
「そこも気をつけないとですねえー。わかりましたー」
フレリアがひょいひょいロケラン弾頭を受け取る。こ、怖くないのかな。俺は怖い。ちょっと離れておこう。
「ではジング、いっちー。今日は頑張ってこの武器売ってみますねー」
「お願い、フレリア!」
「頼んだぜ!」
「はいー」
これでまずは一安心だな。
「ところで門番さんー。今の威力、見ましたよね? このろけっとらんちゃあ、買いませんー?」
「え、えっと」
一安心、かな?
フレリアの商才に、少し疑問を感じる。
後はパン買って、フレリアはそのまま俺達と別れた。
このままパンかじりつつ訪問販売に行くんだって。行動が速い。
じゃあ、俺はどうしよう?
「ひとまず、家に帰ってパン食べるか」
お行儀良く。
「別にこのまま食べ歩きでもいいぞ!」
「お行儀が悪いのでいけません。まずは家。それは絶対」
「はーい」
「でも、その後何しよう?」
「日光浴!」
「いっちーはそうだったな。じゃあ俺は、洗濯でもするか」
「着替えがあればそれでもいいんだけどな!」
「そうだった。着替えかあ」
やっぱり多少のお小遣いは必要だったかも。フレリアが帰ってきたら一度頼んでみるか。
「あ、そうだ」
「ん?」
「図書館、とかないかな。どこかに」
この世界の情報を知る術があれば、それがなにかに役立つかもしれない。
「じゃあ今日はそれを探してみるか!」
「どうせやることもないし、そうしよう」
「おー!」
というわけで、近所の道具屋に聞いてみました。
「あの、すみません。この村に図書館はないですか?」
「トショカン? ああ、そういえばそんなものが王都にはあるって聞いたねえ」
「都会、ですかあ」
「ここにはないよ。本なら売ってるけどね」
「そうですか。ちなみに、どんな本を売ってます?」
「植物大全に、剣技の指南書。後は童話や伝記だねえ」
「伝記」
それ、いいかもしれない。
「どれか買うかい?」
「いえ、お金は無いのでこれで失礼します」
「そうかい。次は忘れずに持ってきなよ」
「おじゃましましたー!」
「また来るぜ!」
「図書館はなかったな!」
「ああ。けどいっちー、俺は決めたよ」
「そうか!」
「俺、元の世界の知識を活かして、小説家になる!」
元の世界の小説とかを丸写しとかは無理だけど、思い出せる範囲を上手く使えればいけそうかも。
何より、戦闘無しで稼げるならそれがベストだ!
「いいんじゃないか? で、何書くんだ?」
「え、えっとお。桃太郎とか?」
「いちごじゃねえな!」
「流石にな。あれ、でも俺もしかして、思ったより書くアイデアない?」
ひょっとしてこれも俺の才能的にアウト?
「けどそれじゃあまずは、紙とペンが必要だな!」
「ああ。フレリアがそれもくれればいいんだけど」
「ないないづくしだぜ!」
「仕方ないな。異世界初心者なんだから」
まあ、今はやることないし、何考えていてもいいだろう。
俺はフレリア宅の庭でいっちーの日光浴に付き合いつつ、小説のプロットとあと、次の野菜召喚は何がいいか考えた。
果物も野菜の仲間だよな。じゃあ次は、ぶどうとか召喚できればいいかな?
連続投稿はここまでです。
後は以前通りちょこちょこ続けます(前よりも投稿しないかもです)。




