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そのもそのその1
ーーいつもと変わらない日だった。
18時に部活動が終わり、飼育委員会が集まってる教室に向かう。この委員会は19時までやってて基本ダラダラ話してるだけの委員会。
存在意義は多分ないと思うけど、なかなかに楽しい。今日は中学生の我々が小学生に動物の不思議さを知ってもらうための会議だとか。
ウキウキして廊下を走っていると窓の外から変なものが見えた。
あまりにも奇妙なので立ち止まってしまった。
そのまま窓に近づき外を覗く。
パッと見て赤い塊に見えた。
気になって見てると形がだんだんとわかってきた。
それは征服せんとする、しかし手も足もない人間の心臓に似たものだった。
脈動をしており動くたび血が吹き出している。どこから血が入っているのかはわからないが、健康的に動き血を吐いている。
私は「それ」に心臓を奪われた。
文字通り、心臓を。
ーー口からぬるっと。