イラッとする
「ロミオ王子殿下にレイン様!?」
私の名前を言わないことに腹が立つ。
サーヴィンは今までに見せたことのないような表情をしているし、相当焦っているようだ。
私だけでなく、お父様やロミオ様まで一緒だったらそうなるだろう。
それにしても、サーヴィンが王宮にやってくるからしばらく待機していろと言われていたが、まさか本当に来るとは……。
「やあ久しぶりだねサーヴィン君。まさかこのような場所で会うことになるとはね。予想通りだったよ」
「アウトロ男爵よ、どうやら私たちの見方が間違っていたようだ」
「なんですと!?」
「静粛に」
法廷の間だというのに、容赦無く喋り始めてしまうお父様は大丈夫だのだろうか。
裁判が始まった。
「さて、先ずはこれだ。私の送る手紙の封筒には特別な仕掛けがしてあってね、これは開封したときに私のところに『開封しましたよー』とサインが送られる仕組みなのだ。ソフィアが目の前にいたときに何故か開封サインが来てしまったのだよ。これはどういうことか説明を求む」
「ぐ……」
「続いて俺か。おいおいサーヴィンくん、今俺の部下にソフィアの荷物を取りに行かせたのだが、なんでラランカがソフィアの家にいるのだね?」
「な……」
「ラランカは俺が運営している蜜館の従業員でもあったが、先日金を持って脱走したんでね。ちょうどいいからここに連れてくるように命じた。間も無くくるだろう」
「へ……」
「まさかサーヴィンくん、妻のソフィアがいるのにも関わらず身分を偽って蜜館に出入りしていたことなんてないよねぇ!? 調べたらすぐにわかるんだけどさ」
「あ……はい……」
もはや裁判というよりも一方的な拷問だ。
裁判長も黙ったままだし、これもまさかとは思うがお父様とロミオ様がいるから黙ってしまっているのか? 別にサーヴィンを庇うつもりは全くないけれど、裁判長としてはしっかりして欲しい。
容赦ない攻撃は続く。
「そうか……、サーヴィンくんは裁判でも嘘をつくのだね。もうとっくに調べてあるのだよ。君が蜜館に週に三回架空の名前で会員登録して出入りをしていたこと。そして従業員のラランカを口説き、店の外で不倫行為をしていたこともね」
「ふむ、アウトロ男爵よ……何か物申すことはないのか?」
ロミオ様……それ、裁判長のセリフかと思います。
「記憶にございません」
サーヴィンはあくまで黙秘を続けるらしい。何故かこの言葉にイラつく。
「ちなみにサーヴィンくんが俺に仕向けた暗殺者は部下が取り押さえて牢獄に入っているそうだが、すでに黒幕は君だと白状しているぞ?」
「な……いや、覚えていません」
そんなことまでしていたとは驚きだ。
どおりでお父様には今まで余裕があったわけだ。
それにしても、サーヴィンの発言がさっきから頭にくるんですけど!




