真面目になったら誰にも止めることができないパパ
「なるほど、あの女だったのか。あいつが相手ならばますます都合がいい。確認だが、ラランカという女の見た目は相当な可愛さを持っていて、身長がソフィアよりも少し低めで、家名はないのだな? それに、オンとオフの口調が激しく変わるか?」
「合っている……なんで?」
当たり前だがお父様は超能力者でもないし、変な能力を持っているわけでもない。
「蜜館で働いていた女なのだよ! しかも先日バックれた奴だな」
察するに、お父様が経営している店の元従業員で、そこでも何かやらかした女ということか。
「ソフィアの言う信憑性がこれで更に高くなったな」
そんなところで信頼を得ても複雑なのだが気にしないでおく。
「で、反撃はどのくらいやっていいんだ?」
「は!? そもそも私は離婚できればいいんだけど」
お父様の目がギラギラ輝いている時は大抵ろくなことを考えていないときである。
もしかして私たちの離婚を理由に、最低なことをしようとしているのではないかと不安になる。
「ソフィアを泣かせた男なんか生かす価値もないだろう? 離婚なんて所詮は多額の慰謝料を請求して今後の縁を切るための儀式に過ぎない。そんなんで傷ついた心が癒されるわけないだろ?」
お父様の言っていることは私に対しての情であって嬉しいものがある。もちろん言っていることはごもっともで、私だって慰謝料なんかで傷が癒せるとは思わない。ただ、ルーンブレイス国の法律じゃこれが限界だろう。
「何をする気なの?」
「そうだな……二度と外を出歩けなくなるくらいの事実をばらまくか、教会送りにするか、鉱山送りにするか……いや、そんな生温いものでは当然ダメだろう」
法律無視!?
それだけでも十分過ぎるんですが!
というか、お父様は復讐のようなことを、よくもまぁすぐに思いつくな。
「そんなことしたらお父様だって問題が起こるでしょ? 何度も言うけど、私は離婚さえできればそれでいいんだけど」
「ソフィアのことだけを考えて動こうとしているわけではないぞ?」
「じゃあなんなの?」
「理由はいくつかあるが、一つ目……これはもちろんソフィアを傷つけた代償だな」
うん、それはさっきから聞いているいし、それなりにこらしめたい気持ちは私にだってある。
それにしても、ロミオ様のときと同じような展開が始まったな……。
「二つ目、サーヴィン君は世間からの評判に対して素の性格とかけ離れ過ぎている。それを皆理解していないので、ここらへんで知らしめる必要がある。これは貴族のためでもある」
昨日ロミオ様が同じようなことを聞いたぞ。
「三つ目、これはパパの趣味だ」
「何がよ!?」
「悪者を懲らしめるってヒーローみたいだろ?」
「……」
私は呆れて軽蔑な眼差しを向けた。
お父様は時々変なことを言うのだが、これでも国のほとんどの企業を管理している財閥なのだから未だに信じられないでいる。
「四つ目」
「まだあるんかい!?」
「国のためだ」
最後の理由だけはよくわからない、詳しく聞きたかったが、お父様が続けて私に命令をしてきた。
しかもお父様が真顔になった。
「こうなった以上、もうあの家に戻る必要もない。しばらくここにいろ。暫くこちらに在住させることを手紙を書き、使いの者に出させよう。アウトロ男爵の家には今夜には届くはずだ」
「はい、承知しました」
お父様が真剣モードになったときだけは、私も敬語で会話をして、お父様に従わなければいけないルールがある。
こうなってしまったら、もう私が何を言ってもお父様は動く。
サーヴィンとラランカはただでは済まないだろう……。
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