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たとえばこんな兄妹が。  作者: New
7/7

その7

なんか久しぶりに書きました

「よかった。目が覚めたんだね。」

入室後の第一声はありきたりな文章ではあるが俺を気遣う言葉だった。

「いや、まあよく覚えてないんだが…な。」

「でも私助けてもらったし、すごくうれしかった。」

「そうか、そうなのか」

「でもそのせいで世羅君が傷ついてしまったから。」

そうか、かばう形でとか何とか言ってたような…

「いや、いいんだ。たぶん自分の意志でやったことだろうし、もうあまり痛くもない。」

「後遺症とかは残らないの?」

「リンの話を聞く限りはな、まあ背中の傷跡とかは残るらしいが、まあ大丈夫だ」

「よかったぁ、あ、今日はご飯当番だった!また明日も来るから、安静にね!」

「おう、ありがとな」

そう言って部屋を出ていく。

そういえば西条の家は家と同じく母子家庭で親父が死んでるんだったな。だから飯当番か

「リン」

「なぁに?」

「悪いがちょっと寝かせてくれ、リンの家族事情は起きてからでもいいか?」

「いいよ。おやすみ。」

そう言って眠りにつく…

遠のく意識の中であの忌まわしき惨劇がフラッシュバックする。

果たしてあれをなかったことにしてよいのか…?

そんな疑問が頭に浮かぶ。

いやダメだろ…

俺は一人殺したわけで…でもあれは正当防衛だったのでは?

そうだ正当防衛だよ…

ははっ…そうだよな…

そう思わずにはいられなかった。

そして意識は完全に闇に落ちていく。

そして再起する。

学校だ。机に落書きがされている。誰の机だ?あ、俺か。

なんて書いてあ…

そこには殺人鬼、人殺し、などという言葉が彫刻刀で刻まれていた。

血の気が引いていく、隣に大塚がいた。

「おい大塚?」

救いを求めるように大塚に声をかける。が聞こえていないようだ。

「HR始めるぞー」

いつものように落Tが入ってくる。

「おいお前ら、世羅は今日休みか?」

クラスのリーダー格の女子が声を発する。

「あいつ人殺したんでー。ねーみんなー」

周りも同調する。

大塚と西条は黙っていた。

「なんだと?お前ら自習だ!」

そう言って落Tは急いで廊下に飛び出す。

場面が変わる

今度はどこだ?

気が付くとリンの学校だった。

リンはうつむいている。

隣の男子がリンに紙を渡した。

するとリンは黙って教室を去る。

先生は止めない。

それどころかその様子を無視している。

これは夢なのだろうか…

夢であってほしいと願う。

そして意識は覚醒する

「おはよ、お兄ちゃん」

「お、おう…」

「この時間軸は…」

まさか…あれも夢とか…

「大丈夫、お兄ちゃんが事故った世界だよ」

「ならいいんだ。それより、もしかして前の世界でリンもいじめられたのか?」

「う、うん。それも…時間を戻した理由の一つでもあるかな…」

言うつもりはなかったけどと付け加えるとリンの表情が暗くなる。

リンも相当に辛かったようだ。

これが…人を殺すということ。と改めて恐ろしくなる。

そしてリンが口を開く

「お兄ちゃんが悪くないことはちゃんとわかってる。だから悔やむこともないんだよ?」

そんなことはない。そう言う前にリンが続ける。

「そのおかげで西条さんも助かったの。」

「それは…」

「だからねお兄ちゃん。」

自分の目が熱く泣ていくのがわかる。


「この世界で、二人で、楽しく生きようよ。」


俺は泣いていた。

妹の前で情けない。

でも嬉しかった。

言ってほしいことを言ってくれた。

こんな妹を持てて幸せだ。

リンが俺の頭をなでてくれる。

それだけですべてが癒されていく。


一通り泣いた後思い出す。

「そういえばお前の家族がどうのこうの言ってたな。」

「うん」

「あのね。実は私…」

ごくり…

「神様の子供なの」

ふむふむ。

「いわゆるあれか、天界の使者的なあれか」

「まあ簡単に言えばね。」

えっ…まじ…?

「冗談のつもりだったんだが…?」

「いや、まじ」

「まぢ?」

「まじ」

なるほど、信じるとしよう。

「で、親は誰なんだ?お前みたいに女神様みたいに可愛いなら女神も相当美人なんだろ?」

「かわいい…」

「お?照れた?まぁ事実だし」

「照れてないけど照れた。」

なんじゃそりゃ、かわいっ

「えっとお母さんはイザナミでお父さんはゼウス…」

FU☆RI☆N!ちょっと嫌なこと聞いたわ…

「なるほど、名前ぐらいは聞いたことあるしゲームのキャラにもなってるよな。」

「うん…わりと有名だよね…」

「で、兄弟もいるんだろ?」

「うん…長女のガイア姉様 大地の力が使えたはず」

おぉそれっぽいな。まあそれなんだが

「それで次女が私 時の力…」

「あぁ、助かったよ」

「そして三女のセレーネ 星が何とかって言ってた。で、四女のヘラ 包容力…」

「包容力ってなんだよ!?」

「会えばわかるよ」

すっげー楽しみだわ!

「でね、弟が2人いて、長男がカグツチ、次男がブラフマー」

「おお!それっぽい!」

「名前ぐらいは聞いたことあるでしょ?」

「ああ、すごいな!カグツチの姉って」

「えへへ」

本当に突拍子もない話だが今の俺は信じる以外の選択肢はない。

なぜなら実際自分に起こっている状況はやはりリンの能力によるものだと思われるからだ。

まあ病院を出るまでは外の状況まではわからないが…

警察の言葉などを信じるならそうであろう

しかしリンの言ってることを信じたとして俺は今後どんな対応をすればいいのだろうか…



忙しいです

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