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コントラクトウィズミー  作者: Shokuji
4/10

書き換え

なんてこったい、少年もまさか初日でバレるとは思って無かっただろう。部屋の中で異性と2人でいれば、こっちにその気がなくとも第3者からは完全にけしからん行動にしか見えない。しかし。

「明日香もさっさと勉強しとけよ」

そう言って父は部屋を出ていった。

「え、どゆこと」

少年は状況がわからなかった。

「あー危なかった」

少女は冷や汗を拭った。

「お前、何かしたか?」

「この家族の設定をいじったんですよ、とっさに自分の名前を考えて、兄妹ってことにして、結構大変だったんですからね」

「そんなことができたのか。」

「そりゃ私も悪魔の端くれですよ。これぐらいはある程度操作できますよ」

そう言うと少女は部屋のドアを開けた。すると、さっきまでは壁だった場所に部屋がある。おまけに札には『明日香』と書かれている。

「今俺達はどういう設定になってるんだよ」

「えっと、私の名前が永多明日香で、あなたとは双子の妹となってますね。そして所属中学校も同じです」

少女が自分の作った設定を言い終わったところで少年が聞いた。

「ところでとっさにこんな設定にしたけどどうするつもりなんだよ」

「え?」

「え?じゃ無くて元に戻すとかさ」

「いや、私の力じゃしばらくは戻せませんよ。そうですね、あと1年ぐらいはこの設定で過ごす事になりますね」

「まじかよ」

少年は話を聞きながら用意していた着替えを思わず落とした。

「とりあえずあと1年はよろしくお願いしますね」

「ところで同じ中学って言ってたけど、こっちの学力について来れるよな。一応神みたいな存在なんだし」

少年は着替えを拾いながら言った。すると少女はさっきよりわかりやすく動揺した。

「え、まさかできないのか。さっき俺が解いてただろ」

「だって、さっきからあなたの読んでた本っててっきり何かの魔道書だと思ってたし。何か読み上げたら十字線に三角形があってxとyとa.b.cが書かれた魔法陣から何か出てくるのかと思ってたし」

「この世界に魔法の概念とかないからな。俺を天才にしている奴とは思えないんだが」

「いや、その、下積み時代は他の世界を管理してましたし。今回からこの世界に派遣されたからそんぐらいわからなくたってよくない?」

少年は大きく溜息をついたあと少女に山の様な量の参考書を渡した。

「この国には義務教育という必ずやらなければいけない教育があってだな。これはその最初から最後までだ。いいか、今日中にこれを3分の1でいいから終わらせろ。さもないとこっちの学校では生きていけない」

そう吐き捨てると少年は風呂に行ってしまった。

「ええええええええええええええええ」

少女は秋の長夜に向かって吠えた。

このあと少女が徹夜した事は言うまでもない。

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