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はやくも修羅場!?

 数分たった後、さっきの子が俺に駆け寄ってきた


「旦那様!! 大丈夫ですか!?」


「ああ・・・ てか、旦那様じゃないって!」


 やっと落ち着いてきたので俺はその子に突っ込みをいれつつ立ち上がった


「そうだ、何で君は鬼に追われていたの?」


「食べ物を探していたら鬼に遭遇してしまって・・・ でも、旦那様に助けてもらったからよかった」


「だから旦那様じゃ・・・」


 その時ふと奈々のことを思い出し


「君はあの村に住んでるんだよね」


「当たり前じゃないですか 私と旦那様の愛の棲家がないはずないですよ」


「何が愛の棲家だ! てか、名前も知らないのに愛を育めるかよ!!」


「名前ですか?」


「そうそう」


「ないです」


「はい?」


「私、名前なんてないです」


「マジで!?」


「だって、名前ってのは旦那様に決めてもらおうって決めてたんで」


「何でだ!! いつから俺は君の恋人になったんだ!?」


「それは・・・ 自然に?」


「自然ってなんだよ!!」


「だったら、なんとなく?」


「なんとなくで恋人にするな!!」


 ・・・

 こんなやり取りを30分くらいおこなっていた


◇◆◇◆◇◆


 その頃、村で待っている奈々は


「ご主人様・・・ 帰ってきてくれるよね?」


 1人落ち着かない様子で村中を歩き回っていた

 数分が経過し


「少し見に行ってみようかな・・・」


 そう言って奈々は強士朗が走って入っていった森を見た

 その時、森のほうから何かが倒れるような大きな音がした(鬼が木を折り倒した音)


「今の音はいったい・・・ もしかしてご主人様!?」


 奈々は森に向かって走り出そうとした

 だが、


「大丈夫、俺は絶対帰ってくるよ」


 強士郎のその言葉が奈々を止めていた

 奈々と強士郎は出会ったばかりなのに・・・

 なのに・・・

 なんで、ご主人様ならきっと帰ってきてくれると思ってしまうのだろう


「待ってよう・・・ ご主人様、早く帰ってきて」


 奈々はそう言い森の方をみて祈るのだった


◇◆◇◆◇◆


 強士郎はというと


「君の名前は桃だ!」


 言い合いが面倒になり、名前を付けてあげた


「旦那様!!」


 すると、桃は名前を付けてもらえたのが嬉しかったのか俺に抱きついてきた


「旦那様、私嬉しいです今までずっと一人だったから・・・ 名前もなくて・・・」


「そうだったのか・・・」


「はい・・・」


 桃は悲しそうに言ってきたので俺は同情した


「でも、やっと旦那様が結婚を決意してくれたなんて・・・」


 桃は頬を赤くして恥ずかしそうに言った


「って、おい!! なんでそうなるんだ!!」


「さあさあ、家に帰って婚姻届を書きましょ」


 そう言って桃は俺の背中を押してきた


「お、おい俺の話を・・・」


 その時、俺は思った

 このまま行けば村に戻れる

 奈々が待っているあの村に・・・

 俺は言葉を中断させて押されるがままに進んだ



「旦那様、やっと村に着きましたよ」


 後ろから俺を押す桃がそういった


「戻って来れた・・・」

 

 俺の目の前には見覚えのある村があった

 周りを見渡しているが相変わらず人はいない

 が、こっちに向かって走ってくる人が1人いた


「ご主人様~」


「奈々!」


 俺も走り出した

 そして俺たちは自然に抱き合った


「帰ってくるのが遅すぎよ!!」


「ごめん・・・」


「でも・・・、でも・・・無事でよかった」


「ごめんな、心配させて」


「べ、別に心配なんてしてないんだかね」


「そうですか・・・ 心配なんてしてないんですか」


「「!?」」


 俺の後ろからの突然の言葉に俺と奈々は同時に声のした方を見た

 そこには・・・

 桃がいた


「旦那様、その子は誰ですか?」


「旦那様!? ご主人様、これはどういうこと!!」


 2人ともこっちを睨んできた


「桃・・・ 俺は旦那様じゃないって言ったじゃないか・・・」


 俺は冷静にそう言った

 こう言うのが一番いいと俺は思ったのである


「ひどい! さっきは婚約届けを書いてくれるって言っていたのに・・・」


「こ、婚約届け!?」


「も、桃!? な、何を言ってるんだよ!!」


「ご主人様・・・ なんで動揺してるの?」


「俺は、動揺なんてしてな」


「バァカーーーーーーー」


 喋り途中にも関わらず、奈々は俺に飛び蹴りをやってきた

 その飛び蹴りが俺の首に当たり俺は気絶した・・・

 ・・・

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