9 解かれる秘密(下)
私と紅葉先輩は、職員室がある二階まで上がってきた。
そして、ドアを開けて、
『失礼します』
と言い、紅葉先輩が
「少しお聞きしたいことがあるんですが、相談関係はどの先生が担当ですか?」
と尋ねると、
「はい、私ですが」
少し年をとった年配の先生がいた。
「何のご用でしょうか? 立ち話もあれなんで、相談室へ行きましょう」
と言うと、鍵を持って、職員室を出た。
私たちもついていった。
相談室に着くと、相談室の鍵を開けて、入る。
席に着いてから話し始めた。
「何の話で、相談に来たのですか?」
「あの、単刀直入ですが、魔族のほかにまた違った部族がいるのでしょうか?」
「ああ、そんな話ね。いるわよ。二つぐらいあるらしいわよ」
「そうなんですか」
と紅葉先輩が言う。
そして、私が体験したことをすべて、年配の先生に話した。
すると、まさかの回答が返ってきた。
「そうですか。じゃあ、この学校にはいられないかもしれません」
「なぜですか?」
と最初に尋ねたのは、先輩だった。
とても申しにくいように、
「あの、それがこの学園は魔法の部族の中で大和魔法族しか入学資格がないのよ。そのほかの部族はまた違った学校なの」
「そうなんですか」
なんか、自分がこの部族ではないことに後悔をした。泣きたくなった。
――別れるなんて、嫌だ。絶対に。あんなにもやさしい友達と先輩ができたのに。
私は泣きたかったけど、こらえた。
話を聞いていて、魔法の部族には大和魔法族、優性魔法族、粛正魔法族がいるということ。それらが、全員違った場所で生活をしているという。
学校もそう。大和魔法族では、この学園が有名だけど、優性魔法族は、天界修練学園が有名。粛正魔法族は、進島早大学園が有名。
こうやって、分けられて勉強をしているが、魔族をほろぼずのは同じ。
だから、戦うときだけは一緒なのだ。
でも、勉強などと言ったことについては、すべてが一緒というわけでもない。
昔の話だが、魔族、魔法族という二つの部族がいたそうだ。
いつもこの二つの部族は争っていたそうだ。領土をめぐって。
すべてが逆の部族らはだったそうだ。
そんなときに、魔法族内でも争うというよりも、格差が表れた。
なぜかというと、すべての魔法族には、力の差があった。
だから、同じ場所で学んだりすると、本当の力を出すことができないということで、
魔法族の領地の中で三つの部族を分けた。
そうすると、今までよりも部族の力が増し、魔族の力が弱く感じるところまで来た。
三つの部族らは、それをいいと感じで、今まだに分けたままにしている。
私は奥が深いと思ったけど、私はどこの部族で、どこの場所にいたのかすらわからない。
今までの流れで、最初の方は、誰なのかがわかっていたようにも感じるが、それもいまじゃあわからない。
何が起きたのかは自分でもわからない。
どうすればいいかもわからない。
私が考え事をしているときに、
「あなたは、少し魔法記憶術を学んだ方がいいのではないでしょうか」
と年配の先生は言う。
私はとっさに、
「なぜですか」
と質問してみると、
「それはねぇ、あなたの記憶は、すべて魔法で消されたおそれがあるからよ。もし、この場所に来るべきではなかったとしたら、それを抹消して、あなたをどうにかしようと考えている人たちがいるはずよ。その人たちが奪った場合があるの」
「それでなぜ勉強する必要があるのですか?」
年配の先生は、今まで以上に真剣な顔でこちらを見ている。
「それはねぇ、魔法記憶保管所と言うところがあって、いくらでも記憶を取り出せるようになっているの。だから、記憶をなくす力でなくしても、やられた人が、保管所を知っていれば、戻れちゃうのよ」
「それって、バックアップするということですか?」
「バックアップ? そうですね。そんな感じです」
私は納得した。こんなことができるということを。
何で、バックアップと言う言葉を知っていたのかわからない。
それにしても、先輩は静かのまま。
もしかして、私のことを観察しているのかもしれない。
どうなのかはわからないが、少し不安である。
この世界には、バックアップと言う言葉自体が存在しないこともある。だから、よけいに怪しいのかも。
私は考えているが、先輩はどう思っているなんかわからない。
私はどうすればいいかを明白にするためにも、魔法記憶保管所のことをもう少し詳しく聞くのだった。




