表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
the god of death  作者: hayate
5/17

命令ゲーム5 豪邸

真実は悔しさから拳を握りしめていた。


「どうしたんだ?真実。」

喜びを終えた真が真実に言った。


真実が、実たちが生きているという喜びの中で、拳を握りしめて悔しんでいることに疑問を感じたのだろう。


「あぁ…3人グループの謎が解けたんだ。」

「本当か⁉教えろ!!」


真が真実に聞いた質問だったのに、盗み聞きしていたのかクラスの皆が、真実の方を振り返り言ってきた。


真実は小さく頷いて皆を自分の所へ集めた。

その後、自分の推理を伝えた。


最初こそ皆信じなかったが、それ以外では説明できないという真の後押しもあって、話し終える頃にはすっかり信じていた。


だからこそ、3人が死んだ理由を聞いて真実と同じ気持ちになる人も少なくなかった。


「ていうか真実!その電話まだ繋がってるぞ!」

「えっ⁉マジ⁉」


推理をすべて伝えた直後に真に言われて、真実は慌てて携帯を耳にあてた。


「15時18分です。命令7番の人は命令を実行してください。」


電話の相手……死神は、真実たちが話を終えるのを待っていたようだ。

おとなしく待っていたことも不思議だったが、まるで観ているかのように、携帯を耳にあてた瞬間から話し出したことの方が真実にとっては重要であった。


「はーふぅー」


電話が切れるとともに、安堵のため息を吐きながら、真実は教室の床に倒れ込んだ。

今になってやっと、謎が解けた安心と喜びが体を包んだからだった。


「ははっ!まぁ、そうなるよな…。」


真も気が抜けたように笑う。

クラスの皆が安心に包まれる。


でもまだ、クリアしたわけではない。

命令ゲームの恐ろしさは、まだまだこれからだった。


「次って俺と誰だっけ?」

「私だと思うよ…命令って言われたし!」


もう怖いものなんてなにもないと言わんばかりに真実たちは手を繋いだ。


♪〜♪〜♪〜


「はい。」

「7番ペア成功です。」


いつもならここで切れるか、次のペアのことを言うかだが、今回は違うことを言ってきた。


「山村 真実……素晴らしい。まさか解くとは思いませんでした。ご褒美をあげましょう。11番ペアの時に何かが起こります。」

「なっ⁉待て!何かってなんだ!」


電話は切られた。

11番ペアで何かが起こる。それだけを伝えて。


「何が起こるっていうんだ……」


皆で前のように考えたが、答えは出なかった。

15時53分に電話が来た。

内容はいつもと同じだった。

同じこと以外は、何も言わなかった。


「8番ペアは手を繋いで。」

「オウ!」

「はーい!」


信二と美穂が仲良く手を繋ぐ。


♪〜♪〜♪〜


「はい。」

「8番ペア成功です。」


電話は切られた。

進展は何もなく、11番の時に起こる何かに、皆が怯え出していた。


16時02分。

学校の時間が終わり、家に帰らなくてはいけない。

でも、皆で集まっていた方が安心出来るし、対応も出来る。

つまり、皆が皆といたいと思っているのだ。

しかし、どこに集まればいいのか悩んでいた。


「どうする?」


実には似つかわしくない険しい顔で、実が言った。


「一回帰ってから俺ん家に集まれば?」


まさしく、それしかないという返答をしたのは、真だった。


31人もの人数を一度に集められる家などこのクラスでは、宮崎家の屋敷以外にないからだ。


「真が大丈夫ならそれが一番だな。」

「じゃあそういうことで!」


そう言って真は、荷物を持って出て行った。

その後、皆も荷物を持って帰った。


17時53分。

1人を除いて全員が宮崎家に到着。

屋敷の前で話をしていた。


「31人も家に入るってどんだけ広いんだよ……」

「いやぁ狭い家で申し訳ない。」

「アハハ、死ねばいい。」


真実が真の発言に笑顔でムカついている頃、彩と裕二は手を繋いでいた。


例のごとく電話が来て、何もなく切れた。


「18時になったら手を繋いでね。」

真実がそう言うと、奥の方で座っていた香織が立ち上がって言い返す。


「でも、龍也君がまだきてない…です。」


そう。集まっていない1人とは10番ペアの龍也のことだったのである。


「大丈夫かな?」

「19時までには来るさ。」


真実の冷静な返しとは裏腹に、龍也は18時40分になっても来なかった。


「どうすんだよ!こねぇぞあいつ!」

「いや……どうしよう……」

その時……つまり、真実が戸惑っている時だった。


「わりぃ!遅れた!」


手を振りながら龍也は、宮崎家の中にある森の中を走ってきた。


















評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ