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宿舎
伊達の高校には宿舎がある。 完全な寮制である。 毎日もの凄く練習で疲れた生徒達が帰ってくる。 それほど、練習は厳しいものである。 さすがの伊達も練習についていけるか不安になってしまうほどであった。 「噂には聞いていたが、ここまでとは…」と伊達は絶句してしまった。 さて、この環境に負けず甲子園に出場し優勝旗を手にすることが出来るのだろうか。
一方グランドでは、「うりゃ~!」と叫びながら空振りをする選手がいた。 四番の大島である。 彼は当たれば飛ぶが三振が多い打者としてある意味有名である。 野球部が甲子園で勝ち上がるには大島の打棒が不可欠であった。