第6話 学園四不思議
久しぶりの更新です。
雪那「かなり間が空いたな」
いや、何というか思い浮かばなくって………
小雪「それで、前回の後書きに描いたようなことをやるの?」
一応ね。という訳で、今回は四不思議と小雪ちゃんと皐のドキドキイベントです
「さて、みんな集まったわね。夏も近いので、今日は夜の学校で四不思議を体験してみようかと思います!」
7月の夜、突然蕾さんから呼び出された私達。すると雪兄が蕾さんに質問した。
「おい、蕾。いきなり呼び出して、いきなり夜の学校を探検って………何があったんだ?」
「ちょっとね、馬鹿なお姉ちゃんに記事の期限が迫ってるって言われてね。この時期だし、この学校に伝わる四不思議でも調べてみようかと思ってね」
蕾さんが笑顔でそう言った。すると蕾さんの後ろに怒った顔をした花蓮さんが立っていた。
「誰が馬鹿なお姉ちゃんだって?あんたがいつまでも学級新聞を完成させないからネタを提供してあげたんでしょ!!」
「あ、あはは、さぁて、組み合わせでも決めましょうか………」
蕾さんが組み合わせを発表し、私たちはそれぞれ組んだ人と一緒に夜の学校を回るのであった。でも、夜の学校ってちょっと怖いかも……
白雪&裏月ペア
「たく、面倒くさい」
「………ねぇ、裏月くん。何で七不思議じゃなくって、四不思議なの?」
私は長い廊下を歩きながら、聞いた。すると裏月くんは少し悩みながら答えた。
「確か、この学校って出来たばっかだから、そんなに多くないかららしいぞ。」
「……そうなんだ。今私達が行く理科室って……」
「あぁ、一番目の四不思議。理科室に蠢く何か。」
理科室に蠢く何かって………もしかして黒くて体がつやつやしてて、凄く早い。アレのことじゃないのかな?それだったら、正体もわかってるし、あんまり怖くないよね。
「着いたな。開けるぞ。」
「……うん」
私たちは理科室にたどり着き、裏月くんが理科室の扉を開けた。すると確かに何かが蠢いていたけど…………
「ひっ、」
「見るな。これは女子にはキツイ。というか俺でもかなりにキツイぞ。というか…………何がしたいんだよ!!理科室担当者!!」
そう、私の予想は当たっていたのだが、ソレは机の上に置かれた頑丈に封されたガラスケースの中に大量に……………
「あんまり思い出さないほうがいいぞ。夢に出てくる。」
「………うん、ありがとうね。頑張って忘れる。」
私は必死に裏月くんにしがみついたのだった。
蕾&花蓮ペア。
「それにしても、二番目は確か音楽室だっけ?何があるのさ?」
「確か、何かの音楽が聞こえてくるっていう話よ。それにしても、面白い組み合わせね。」
花蓮がそういうと、蕾がいたずらっぽく笑った。
「まぁね、小雪ちゃんには皐と距離が縮められる四番目の所に行かせたからね。」
「四番目って………あぁなるほどね。」
そんなことを話しながら、二人は音楽室の前にたどり着き、蕾が扉を開けようとした瞬間、突然何かの音楽が流れた。
「あら、本当に流れてる。」
「どうせ、誰かが居残ってるだけでしょ。全く……」
花蓮が音楽室に入ると中には誰もいなかった。ただただ音楽が流れているだけだった。
「ま、まさか……こんな事って…………いや、いやああーーーーーーー!!」
花蓮はそのまま音楽室から逃げていくのであった。残った蕾は中に入り、ラジカセを持ち上げた。
「お姉ちゃん。知らなかったみたいね。音楽室にあるラジカセ。ちょっと壊れてて、たまに勝手に音楽が流れちゃうのよね。思った以上にすごい反応だったわね」
雪那&桜ペア
「俺達は美術室か。」
「はい、確か笑うモナリザでしたっけ?それにしても、本当にこの学校って面白い不思議がありますね」
「あぁ、一番目のやつなんか、理科の先生が飼ってる蜘蛛の餌を捕獲するために捕獲用水槽だし、二番目は壊れたラジカセ。原因が分かれば、全然怖くないしな。」
「そうですね。」
「それにしても、桜ちゃんは怖くないのか?」
「はい、大丈夫です。だって………」
桜ちゃんは何故か顔を赤らめていた。一体どうしたんだろう?
(せ、先輩と一緒………赤瀬先輩。ナイスです。怖いのとか苦手だけど、雪那さんと一緒だとそんな小関係ない)
美術室にたどり着き、中に入り並べられた絵を見てみると………
「せ、先輩、あれって……」
「ん、確かに笑ってるな。」
確かにモナリザが笑っていたのだが………これって……
「って、先輩!?何、絵を持ち上げてるんですか!?」
「桜ちゃん。三番目の不思議の正体は………美術の先生のお茶目だよ。」
「はい?」
「簡単に言うと、美術の先生が三番目の不思議を作らせようとして、昼は普通のモナリザ。夜、というより帰るときに笑っているモナリザに入れ替えとくんだよ。」
「本当にお茶目な方なんですね」
そして……小雪&皐ペア
「さ、皐くん、あ、あんまり動かないで………」
「ご、ごめん。でも、凄く狭くって………」
「皐くんって、凄く大っきいいんだね。私の小さいから……入りきれないかと思うよ。」
「あの、小雪ちゃん?誤解を招くようなことを言わないで………僕らはただ単に………閉じ込められてるだけなんだから……」
「えへへ、だって、言ってみたくって……」
私たちは今、校舎の外れにある女子トイレの個室にいた。四番目の不思議は……『開かずのトイレ』中に入ったら、出られなくなるらしいけど………
「ただ単に建付けが悪かっただけなんだよね。どうしようか?小雪ちゃん?」
「さっき、雪兄に迎えを頼んだから大丈夫だよ。でも、こうして近いと………何だかドキドキしちゃう」
「えっ?大丈夫なの?」
皐くん、ちょっと鈍感すぎ。
「ねぇ、皐くん。皐くんって私のことどう思ってるの?」
いっぱいアプローチしてるのに、全然気づいてくれない。もしかしたら、私って、皐くんの好みじゃないのかも………
「え、えっと、小雪ちゃんのことは……最初、会ったときは………ただの友達としか思ってなかったけど……」
「けど?」
「今は……その、」
皐くん、凄く顔が真っ赤。私は皐くんにそっと顔を寄せた。
「皐くん…………」
あと少しでキスが出来る距離だ。だけど………
「お~い、大丈夫か?って、おい」
「あら、何だかお邪魔みたいね。雪那。あと三十分待ってあげましょう。それだったらやることは終わるわね。」
雪兄と蕾さんが扉を開けていた。私たちは咄嗟に離れるのであった。もう少しでキスが出来たのに…………………