第5話 白雪の日課
というわけで、今回は白雪メイン回となります。
毎朝5時に私は目を覚ます。何故こんな早い時間に目を覚ますのかというと……
「……もう明るい。夏が近いからかな?さてと行こうかな」
私はパジャマからジャージに着替え外へと出ていった。
「行ってきます」
そうそれは私の日課の一つである早朝の散歩であった。眠っていたせいで筋力が低下していた。しばらくはリハビリを続けていたので、学校に通えるくらいには筋力が戻ったのだけど派手な運動は出来ないので、こうして散歩をすることにしたのだった。
「昨日は駅前まで行けたから……今日はどうこまでいこうかな?」
そう思いながら歩いていると、見覚えのある人が犬の散歩をしていた。
「あら?貴方は確か……」
「あ、おはようございます。花蓮さん。」
「雪那くんと小雪ちゃんの妹さんの白雪ちゃんね。こんな朝早くから何してるの?」
「散歩です。花蓮さんは犬の散歩ですね」
「えぇ、本当は蕾と交代でやるはずだったのだけどね。あの子ったら朝弱くってね……」
「えへへ、お姉ちゃんと一緒です。」
「小雪ちゃんの苦手なんだ。」
「……はい、私が目覚めたしばらくは私のこと起こしに来てくれたんですけど、今は全然」
「そうなんだ。」
その後花蓮さんと一緒に散歩を続けるのであった。
朝6:30
「……ただいま」
「おう、おかえり」
散歩を終え、家に帰るとエプロン姿のお兄ちゃんが出迎えてくれた。お兄ちゃんはいつも私達のお弁当や朝ごはんを作ってくれる。お姉ちゃんもたまに早起きして朝ごはんを作ってくれたりする。でも私は料理はまだダメなので、お兄ちゃんやお姉ちゃんに教えてもらっている。
「……手伝う?」
「いや、もう出来上がってるからこゆの奴起こしてくれないか?」
「……うん」
私はお姉ちゃんを起こしに、お姉ちゃんの部屋に入るとお姉ちゃんはパジャマを半脱ぎ状態であった。
「お姉ちゃん。また脱いでる。風邪引くよ」
「う~ん、おはよう。白雪」
「ご飯出来たよ」
「分かった~、白雪も早く着替えちゃったら?」
「うん」
お姉ちゃんを起こし、自分の部屋に戻り制服に着替え終え、リビングに戻ると既にお姉ちゃんは制服に着替え終え、ご飯を食べていた。
「たくっ、こゆも白雪みたいに朝早く起きろよ。」
「朝弱くって……」
「……お姉ちゃん。朝早く起きて、皐さんにお弁当を作ったら?きっと喜んでくれるよ」
「お弁当……………えへへ」
お姉ちゃんは何かを妄想していた。きっと皐さんが笑顔で『美味しいよ』って言ってる妄想だと思う。
7:45
学校に着くと桜ちゃんが声をかけてきてくれた。
「おはよう。小雪ちゃん、白雪ちゃん」
「おはよう。桜ちゃん」
「……おはよう」
「聞いたよ。白雪ちゃんの非公式ファンクラブ出来たって、」
「……ファンクラブ?」
「そう、なんてったって赤瀬姉妹に次ぐ美少女姉妹なんだからファンクラブの一つや2つ……」
「……美少女って、私そんなに可愛くないし……」
「私もだよ~それに桜ちゃんの方が凄く可愛いよ」
「……うん、家庭的だし、直ぐにお兄ちゃんのお嫁さんになれるよ」
私がそう言うと桜ちゃんは顔を真っ赤にしていた。
「お、おおおおおおおお、お嫁さん…………わ、私なんかまだ雪那さんとは……」
「大丈夫。好感度はきっと凄く高いから」
「……うん」
「よ、ようし、頑張ってアピールして……ま、まずは恋人から……」
朝はいつも桜ちゃんと一緒にお喋りしたりする。それにしても私ってそんなに人気高いけど……ラヴレターとか貰った時ないな~
8:20~12:10
この時間は授業を受けている。私の場合、まだ分からなかったりするけどそんな時はお兄ちゃんに教えてもらったりしてくれている。
本当はお姉ちゃんに教えてもらいたいけど、お姉ちゃんは勉強が苦手のため、最終的には一緒に教えてもらったりする。
12:10~13:20
この時間は部室でお兄ちゃんたちと一緒にお昼ごはんを食べています。席は基本的に自由だけど、お姉ちゃんは皐さんの隣に座り、お兄ちゃんは蕾さんの隣、桜ちゃんはお兄ちゃんの隣、私はというと裏月の隣に座っています。
「……裏月くんはお弁当じゃないの?」
「ん?あぁ、今日は俺が当番だったんだけど寝坊してな」
そういえば、皐さんも惣菜パンだった。
「さ、皐くん。その、迷惑じゃなかったら……私お弁当作ってこようか?」
「いいの?でも、小雪ちゃんって朝弱いって聞いたけど……」
「だ、大丈夫。お弁当作る時くらいは直ぐに早起き出来るから」
「それじゃ、今度頼めるかな?」
「うん」
よかったね。お姉ちゃん。お弁当作るきっかけが出来て……
13:20~15:30
ここからは午後の授業となります。午後の授業は凄く眠くなる時間だけど、私は早くみんなに追いつきたいので頑張って先生の話を聞いてます。
15:30~17:00
ここからは部活の時間です。とはいえ文芸部は基本的に本を読んだり、お喋りしたりと自由です。
「そういえば、ユキ。いいかしら?」
「なんだ?」
「あなた、小雪ちゃんの事は『こゆ』って呼んでるのに、何で白雪ちゃんの事は『白雪』って呼んでるのかしら?」
そういえば、そうだった。いつもお兄ちゃんは名前で呼んだりしてる。どうしてだろ?
「ん~、何というか……いいのが無くってな……こゆの場合は『小雪』だからこゆにしたんだけど……裏月何かいいのあるか?」
「何で俺に振るんだよ!『白雪』だから……しら、らゆ………………………」
裏月くん考えこんじゃった。私あんまり気にしてないから別にいいんだけど……
「『しぃ』じゃダメか?」
と裏月くんがそう言った。
「しぃか。呼びやすくっていいかもな。しぃ、それでいいか?」
『しぃ』……裏月くんが付けてくれた名前……嬉しい
「うん、『しぃ』っていいね。ありがとうね。裏月くん」
「べ、別にお礼を言われるようなことは……」
裏月くんが照れてるの初めて見た気がする。私は裏月くんのそういう優しいところとか好き………
「えへへ、『しぃ』…………えへへ」
19:00
夕食を終え、私はお姉ちゃんと一緒にお風呂に入った。
「よかったね。裏月くんに可愛いあだ名もらって……」
「……うん、凄く嬉しい。」
「私もね。実はと言うと『こゆ』ってあだ名は皐くんが決めてくれたんだ」
「そうなの?」
「うん、最初はお兄ちゃんがって思ったんだけど、蕾さんから後々になって教えてくれたんだよ」
「……同じだね」
「同じ?」
「……うん、好きな人からあだ名貰えて……同じ」
「同じ……そうだよ。」
22:00
この時間はお兄ちゃんに勉強を教えてもらい、自分の部屋に戻り日記をつけた。
「今日は裏月くんにあだ名をもらいました。凄く嬉しかった。いつか恋人同士に………えへへ」
日記を書き終わり、私は部屋の電気を消し、眠りについた。
「明日もいいことがありますように……」
滅茶苦茶長くなった。
雪那「にしても、しぃのあだ名を決めたのが裏月か」
裏月「悪いか?」
雪那「いや、別に、」
なんだ、妬いてるのか?シスコン
雪那「だからシスコンじゃないって」
白雪「……次回は?」
何を書こうかな?小雪ちゃんと皐くんの距離が縮まる話でも書くか。
皐「どんなの書くつもりですか」
キーワードは、二人っきり、ピンチ、閉じ込められ、縮まる距離です
雪那「もう答えを言ってんじゃないのか?」
次回をお楽しみに