第3話 白雪の初恋
お待たせしました。第三話です
小雪「今回はそんなに間開かなかったね」
雪那「いや、それでも結構間が開いてる気がするけど……」
気にしたらだめだよ。
小雪「それで今回は?」
まぁ、白雪が現れた理由とついに裏月の登場です。
白雪「……嬉しい」
リビングでは、雪兄が朝食を机に並べ終わっていた。そして椅子に座ってあることを聞いてきた。
「さて、ご飯食べながらでいいんだけど……白雪、いいか?」
「……うん、いいけど……」
(私の朝ごはん~)
何故か私の体には白雪の精神が現れ、今は白雪が私の体を支配してるんだけど……私の朝ごはん……
「大丈夫だよ。お姉ちゃん。体共有してるから学校でお腹空いたりしないから……」
(そっか、良かった。それなら安心だね)
「でも、ずっと寝たままだったからこうしてご飯を食べるのは久しぶりだから、いつもより多く食べちゃう……」
(私の体重が増えちゃうからやめて~)
といった感じに久しぶりに姉妹っぽい会話をしていると、雪兄がため息をついた。
「あのさ、俺からしたら白雪が独り言喋ってるようにしか見えないし……じゃなくって、白雪、一体何が起きてるんだ?」
「……えっとね、お兄ちゃん。それにお姉ちゃん。私そろそろ起きようかと思ってるの」
「起きるって……」
(もしかして、眠りから覚めるの?)
「うん、お姉ちゃんがお見舞いに来てくれるたびに学校のこととか話してくれてね。何だか早く起きたくなったの」
そっか、私がいつも話してるから……良かった、そのおかげで白雪が起きるんだ……
「でも、それだったらこゆの体の中にいなくたっても別にいいだろ?」
(そ、そう言えば、そうだよね。どういうことなの?白雪)
私が白雪にそう聞くと、白雪は何故か恥ずかしそうにしながら答えた。
「え、えっとね。実は……お姉ちゃんの話聞いてて……してみたいことがあってね……」
「何だ?」
「初恋」
「(はい?)」
しばらく時間が過ぎ、昼休みの文芸部室では、いつものメンバーでお昼ごはんを食べていた。
「さて、困ったことになったわね」
蕾さんの困ったことって何なんだろう?まぁ、私の方も困ったことになってるんだけどね……
(……ごめんね。お姉ちゃん。難しいこと言って……)
(ううん、いいんだよ。でも、恋するのっていいことだからね。でもね……)
(安心して、皐さんは取ったりしないから)
白雪がそう言うと、私は皐くんの方を見た。皐くんが私の視線に気がつくと……
「どうしたの?小雪ちゃん?」
「えっ、ううん、なんでもないよ。それで蕾さん。困ったことってなんですか?」
「ん?まぁ、あんまり困ったことじゃないんだけどね。ただこの部室がいつも以上に騒がしくなるだけ。」
「一体何があるんだ?」
雪兄がそう聞くと、蕾さんは皐くんの方を見て、ため息をついた。
「あの、僕に何か?」
「実は副会長から聞いたんだけど、戻ってくるんだって……裏月が」
蕾さんの口からあまり聞き覚えのない名前が出てきた。でも、裏月って皐くんの関係者なのかな?すると雪兄がため息をついた。
「はぁ、あいつが戻ってくるのか」
「ごめん。裏月が迷惑をかけて……」
「まぁ、別に迷惑ってことじゃないんだけど……」
雪兄、皐くん、蕾さんがそんなことを話しているけど、私や桜ちゃんは全く話についていけない……
「あの、蕾さん?その裏月さんって誰ですか?」
桜ちゃんがそう聞いてきた。すると蕾さんは笑顔で答えた。
「そうね。一年生は裏月のこと知らないわね。彼は皐の双子のお兄さんでね。この文芸部の部員の一人よ。」
「そうなんだ……皐くんって私と同じ双子だったんだね」
「うん、まぁ、裏月はちょっと春休みに怪我して学校に来れなかったんだよね。」
「怪我って?」
すると雪兄がバツの悪そうな顔をしていた。何か関係あるのかな?
「裏月と雪那が激しく喧嘩して、その結果裏月が足を骨折したのよ。」
「雪兄、そんなことしたんだ……」
「待て、アレには事情があってだな」
「まぁ、アレはどっちもどっちだったからね。確か明日には裏月は戻ってくると思うよ」
何だかよく分からないまま、学校が終わるのであった。
白雪の病室では、いつも通り白雪に話をするのではなかった。
「でも、どうしようね。白雪の初恋の相手」
(あんまり急がなくってもいいよ。私ゆっくりでもいいから)
「だめだよ。せっかく目覚めるチャンスなのに……ゆっくりしてちゃ駄目……」
(……お姉ちゃん。ありがとうね)
「うん、そうだ、ちょっとジュース買ってくるね」
(うん、分かったよ)
売店でジュースを買い、白雪の病室に戻ろうとした時、フッと皐くんとそっくりな人とすれ違った。
「あれ?皐くん?」
「あん?誰だ?」
皐くんにそっくりだったけど、何だか雰囲気がちょっと違う
「あ、ごめんなさい。友達に似てたんで……」
「そうか、皐と知り合いか……」
もしかしてこの人……雪兄が昼休みに言ってた……
「もしかして……裏月さんですか?」
「なんだ、知ってた。まぁあいつらに聞いたんだな。じゃ、また会うかもな」
そう言い残して、裏月さんが去っていった。折角会えたから雪兄との喧嘩について聞けばよかったかも……
(………裏月くん。かっこいい)
(はい?どうしたの?)
(……えへへ、お姉ちゃん。もうすぐ起きれそうだよ)
(えっ!?じゃあ、初恋の相手見つかったの?)
(……うん)
もしかして白雪の初恋の相手って………
というわけで、次回から白雪と裏月が本格参戦です。
白雪「参戦って……」
裏月「だけどよ。俺とシス那が喧嘩って一体何やったんだ?」
白雪「覚えてないの?」
裏月「全く」
まぁ、その事はあとあと明かされる予定だから、次回をお楽しみに